ふ〜。
さきほど、ようやく、「アレルヤ」「おれのユッキー」文庫本向けのリマスタリングを終え、あとがきも脱稿したところ。これで、ほぼ、著者としての仕事は終わり、かな。そうそう、ちゃんと気合い入れて、リマスタリング=推敲(というよりも、彫琢かな)したんです。単行本が、そのまんま文庫本になるわけじゃないんです。さらに、はじめて、本格的な「あとがき」を書いちゃったぜ。まあ、なにしろ、ぎりぎりだったんで、文章は粗く、そのわりに熱がこもり、ってまるでラヴレターみたいだな、ゆえに、じゃっかんの不安は残るものの。あ、つまり、なにが言いたいかというと、すでに単行本を所有している方もぜひ買っていただきたい、ということです。一人一冊、夫婦で二冊、親子で三冊。そんなかんじで、ひとつよろしく。あ、そうだ、ウェブサイトではすでにアナウンスしてもらってるんだけども、解説は仲俣暁生氏(←おれはまだ読んでないのだが、素晴らしいっていう噂!)。カヴァーデザインは江森丈晃氏(←これはもう見させてもらってます、素晴らしい!)。帯のコメントは曽我部恵一氏(←単行本に引き続き!)。主演はジュード・ロウ&ニコール・キッドマン(←意味不明!)。豪華でしょ? へへへっ。発売は3月9日。定価は600円前後(←安っ!)。双葉文庫より。お金のない人は昼食を抜きましょう。……蛇足だけど、じつは最近、昼食をほとんど食べない習慣になってきたのね。リンゴ一個とか。バナナ二本とか。シリアル少々とか。わりといいんだよね、これが。夕方くらいになると妙に高揚してくるんだよ。……まあ、落ちはないんだけど。
きょうはこのへんで。グンナイ。
2.15.2010
1.29.2010
ミゲルは永住権をもらえず、コールドプレイに胸を打たれ。
先週の千葉マリンハーフマラソン。高速で事故があったらしく、かつ、幕張メッセで別のイヴェントがあるらしく、大渋滞に巻き込まれ、駐車場に車を入れたのはスタート数分前。受付でゼッケンをもらったところで、スタートのピストル。もう仕方ないから、ゼッケンはそのへんに捨て置き、タイム計測用のICチップだけ尻のポケットにつっこんで走った。そのわりに前半快調。天気は快晴。潮風は快適。ゼッケンがついてないことでなんとなく不法入国者のような気分になっている。後ろのほうから走ったこともあって、まわりにはペースの遅い人が多く、どんどんパスしてゆく。このまま遅い奴らを掻き分けて全体の半分までいったら永住権がもらえるんだ、がんばれミゲル、などと後で冷静に考えれるとわけのわからない妄想で頭を遊ばせつつ、走る。10キロを過ぎたあたりから、右足の裏が痛くなりはじめる。あわててスタートしたので紐の結び方(靴の履き方)がまずかったのかもしれん。いつも履いてるアディダスのソックスに穴があいてることが判明し、急遽べつのあまり履いていない(しかも滑り止め付きとかの)アシックスのソックスにしたのがまずかったのかもしれん。15キロを過ぎたあたりから、足の痛みのことしか考えられなくなる。びっこ走り。泣きそうになってくる。というか、半べそ。涙は出ないけど、半べそ。19キロ手前、ついに我慢の限界、足を止めてしまう。500メートルくらい歩いてから、再び(歩くのと変わらないようなスピードで)走ったけどね。ゴールもしたけどね。あーあ。ミゲル、永住権はもらえず。労働ビザの支給のみ。しかも半年間の。ゴール後、足裏を見たら、皮が剥けてかなり悲惨なことになってたんだけど、それでもあと2キロくらいはどうにかなったんじゃないか、ほんとうに永住権がかかっていたら走り続けたろうに、などと、今となっては足を止めた自分に納得がいかない。
その晩、家人がなぜか突然、コールドプレイを聴きたがり、YouTubeで見聴きする。Yellowに、わりと、どころか、かなり、いや、ものすごく、胸を打たれる。そういや、これ、CDを持ってたよな、と思って家中を探すが、見当たらず。ああそっか、バカ売れ糞バンド、とか思って、いつだったか、飲みに行くお金がない時に売っぱらってしまったのだ。その流れで、同じくYouTubeで、トラヴィスを見聴きする。同じように、強く胸を打たれる。こちらもまた、かつてはCDを持っていたのだが、クソ売れ感傷バンド、などと思って、売っぱらってしまったのだ。あまのじゃくだとは思うが、メジャーになり過ぎると嫌になる、という習癖を持っている。あと、メロディーがきれいなものは飽きてしまう、という傾向も持っている。ま、後者のことについて話すと長くなるので割愛するが、前者は問題だな。売れようが売れまいが、そんなこと音そのもの表現そのものには関係ないじゃないか。コールドプレイやトラヴィスがいいと思ってしまう自分を受け入れられない、とか、それらをいいと思っているとまわりの人にどう思われるかな、みたいな気持ちすら働いていたような気がする。大馬鹿である。
とまれ、家人に言わせれば、この手の音楽は、たまにだけどものすごく聴きたくなる、ものなのだから、持っていたほうがいい、のだそうだ。この、持っている、という感覚は、データかつPCで、音楽を聴くことに慣れている若い人たちにはいまいちわからないかもしれないが、やはりぼくらなどは、CD、できれば、レコード、で、ちゃんとステレオのスピーカーをふるわせて聴かないと、聴いた気がしない、とまでは言わないが、少なくとも堪能した気にはなれないのだ。シャワーだけでも体は洗えるんだけど、やっぱバスタブに浸からないと……みたいな感覚だろうか。あるいは、バスタブの深さ、の問題か。
昨日、下北に行ったついでに、レコファンに立ち寄り、新入荷中古品の棚に、くだんのCOLDPLAY"Parachutes"とTRAVIS "The Man Who"を見つけたので、さっそく購入した。かつて、売っぱらったそれらを、再び。
というわけで、今、遠慮なしに、大音量で、イエローを聴いている。こんなに大音量で、イエローを聴いてるやつはそうそういないだろう。……Yeah they were all yellow のライン、いいよなあ。BlueでもOrangeでもなく、Yellow。
その晩、家人がなぜか突然、コールドプレイを聴きたがり、YouTubeで見聴きする。Yellowに、わりと、どころか、かなり、いや、ものすごく、胸を打たれる。そういや、これ、CDを持ってたよな、と思って家中を探すが、見当たらず。ああそっか、バカ売れ糞バンド、とか思って、いつだったか、飲みに行くお金がない時に売っぱらってしまったのだ。その流れで、同じくYouTubeで、トラヴィスを見聴きする。同じように、強く胸を打たれる。こちらもまた、かつてはCDを持っていたのだが、クソ売れ感傷バンド、などと思って、売っぱらってしまったのだ。あまのじゃくだとは思うが、メジャーになり過ぎると嫌になる、という習癖を持っている。あと、メロディーがきれいなものは飽きてしまう、という傾向も持っている。ま、後者のことについて話すと長くなるので割愛するが、前者は問題だな。売れようが売れまいが、そんなこと音そのもの表現そのものには関係ないじゃないか。コールドプレイやトラヴィスがいいと思ってしまう自分を受け入れられない、とか、それらをいいと思っているとまわりの人にどう思われるかな、みたいな気持ちすら働いていたような気がする。大馬鹿である。
とまれ、家人に言わせれば、この手の音楽は、たまにだけどものすごく聴きたくなる、ものなのだから、持っていたほうがいい、のだそうだ。この、持っている、という感覚は、データかつPCで、音楽を聴くことに慣れている若い人たちにはいまいちわからないかもしれないが、やはりぼくらなどは、CD、できれば、レコード、で、ちゃんとステレオのスピーカーをふるわせて聴かないと、聴いた気がしない、とまでは言わないが、少なくとも堪能した気にはなれないのだ。シャワーだけでも体は洗えるんだけど、やっぱバスタブに浸からないと……みたいな感覚だろうか。あるいは、バスタブの深さ、の問題か。
昨日、下北に行ったついでに、レコファンに立ち寄り、新入荷中古品の棚に、くだんのCOLDPLAY"Parachutes"とTRAVIS "The Man Who"を見つけたので、さっそく購入した。かつて、売っぱらったそれらを、再び。
というわけで、今、遠慮なしに、大音量で、イエローを聴いている。こんなに大音量で、イエローを聴いてるやつはそうそういないだろう。……Yeah they were all yellow のライン、いいよなあ。BlueでもOrangeでもなく、Yellow。
1.23.2010
怒らないでくださいよ。
ツイッターにはいまいち馴染めず、というかまあ、簡単に言えば、億劫で、ほとんどつぶやいていないのだけど、140字っていう制限はいいよね、とは思っていて、ブログも今後はそんなかんじでいこうかしらね。まあ、次は知らないけど、今日はそんなかんじで。
最近、ニュースがうるさい。つまんなくて、うるさい。最低。小沢先生のなんやかや。どーでもいいねんってかんじ。たかが4億なんでしょ。しかも自分のお金なんでしょ。ちがうんだっけ? いいよもう、どっちでも。そりゃあ少しは悪いことしてるでしょ(←ただの狂言です、気にせずに)。だってあの顔だよ〜。政治家に潔癖を求めるなって。きみは猫に忠誠を求めるのか。犬にシャレを求めるのか。おれにハーレクインロマンスを求めるのか。
話がそれたっす。言いたかったのは……瑣末なことはいいから、ちゃんと国家予算の審議をしろ!そっちのほうが百万倍重要だ!つーことっす。
あ、そうね、じゃあニュースなんて見なきゃいいんだけどさ、晩ご飯食べながらニュースを見るのが好きなんだよ。最近はNHKのね。テレ朝のは嫌い。久米さんのときはけっこう見てたんだけど、なんとかって人に交代してからは……ってそんな意地悪なことをおれは言うのかよ。性格悪いな!
それにしても、メディアって。よく考えたら失礼じゃないか。だって国民が選んだ政権だろ。まだ半年も経ってないんだぞ。ある程度はリスペクトしていただかないと。
時々、日本人って阿呆なのかなと思う。結局のところ、阿呆なんちゃうと。それでぜんぶの説明がつくじゃんと。
とか言うと、阿呆みたいに怒るやつがいるんだよなあ。何度も怒られたぜ。殴られそうになったこともあるぜ。
おれだって日本人だって。わかってるって。そんなに目くじら立てんなよ。
あさっては、千葉でハーフマラソンを走るぞ。
練習不足だぞ。
そういえば、タバコやめた。もうひと月経つかな。……あ。もう、ひと月、経つかな、です。もうひと、月経、つかな、ではありません。助詞を抜きがちなのは自覚してます。
やめてもランニングにはたいして影響なし。ランニングのためにやめたんではないのだ。なんのためにやめたのかよくわからないのだ。
昨日くらいから吸いたくなってる。
でも吸わないよん。吸わないんじゃないかなあ。
小林繁、好きだったなあ。阪神に来てからだけどね。あ、いや、巨人にいたときもちょっと好きだったかな。いつか、あんなふうにサイドから投げるピッチャーになろうと思ってた。理不尽なことがあっても黙々と投げるピッチャーになろうと思ってた。野球少年じゃなかったのに、途中からはバスケ少年だったくせに、なぜかそう思ってた。ご冥福を祈ります。
ほら、なんか、ツイッタ―ふうだ。……そうでもないか。
おやすみ。
最近、ニュースがうるさい。つまんなくて、うるさい。最低。小沢先生のなんやかや。どーでもいいねんってかんじ。たかが4億なんでしょ。しかも自分のお金なんでしょ。ちがうんだっけ? いいよもう、どっちでも。そりゃあ少しは悪いことしてるでしょ(←ただの狂言です、気にせずに)。だってあの顔だよ〜。政治家に潔癖を求めるなって。きみは猫に忠誠を求めるのか。犬にシャレを求めるのか。おれにハーレクインロマンスを求めるのか。
話がそれたっす。言いたかったのは……瑣末なことはいいから、ちゃんと国家予算の審議をしろ!そっちのほうが百万倍重要だ!つーことっす。
あ、そうね、じゃあニュースなんて見なきゃいいんだけどさ、晩ご飯食べながらニュースを見るのが好きなんだよ。最近はNHKのね。テレ朝のは嫌い。久米さんのときはけっこう見てたんだけど、なんとかって人に交代してからは……ってそんな意地悪なことをおれは言うのかよ。性格悪いな!
それにしても、メディアって。よく考えたら失礼じゃないか。だって国民が選んだ政権だろ。まだ半年も経ってないんだぞ。ある程度はリスペクトしていただかないと。
時々、日本人って阿呆なのかなと思う。結局のところ、阿呆なんちゃうと。それでぜんぶの説明がつくじゃんと。
とか言うと、阿呆みたいに怒るやつがいるんだよなあ。何度も怒られたぜ。殴られそうになったこともあるぜ。
おれだって日本人だって。わかってるって。そんなに目くじら立てんなよ。
あさっては、千葉でハーフマラソンを走るぞ。
練習不足だぞ。
そういえば、タバコやめた。もうひと月経つかな。……あ。もう、ひと月、経つかな、です。もうひと、月経、つかな、ではありません。助詞を抜きがちなのは自覚してます。
やめてもランニングにはたいして影響なし。ランニングのためにやめたんではないのだ。なんのためにやめたのかよくわからないのだ。
昨日くらいから吸いたくなってる。
でも吸わないよん。吸わないんじゃないかなあ。
小林繁、好きだったなあ。阪神に来てからだけどね。あ、いや、巨人にいたときもちょっと好きだったかな。いつか、あんなふうにサイドから投げるピッチャーになろうと思ってた。理不尽なことがあっても黙々と投げるピッチャーになろうと思ってた。野球少年じゃなかったのに、途中からはバスケ少年だったくせに、なぜかそう思ってた。ご冥福を祈ります。
ほら、なんか、ツイッタ―ふうだ。……そうでもないか。
おやすみ。
1.08.2010
マーク・E・スミス、太宰、おれ
ご挨拶遅れましたが、
謹賀新年。今年もよろしくお願いします。
昨年の年明けもたしかそうだったような気がするけど、どういうわけか年始からフォール/ The Fall を聴きまくっていて、家人から鬱陶しがられています。たいていの音楽には文句をいわないんだけどね、フォールをかけていると鋭敏に反応して嫌がるんだよね。どうも神経に障るらしくて。気のせいかもしれないけど、猫たちもそわそわ(苛々?)してくるような。ま、猫の反応はさておき、家人に拒否されればされるほどに、フォールへの我が愛情とリスペクトは深くなるのもまた事実で。本来、パンクってのは、もっと言っちゃえば、ロックンロールってのは、家族と朗らかに聴く音楽じゃないしね。そういう意味でも、フォールって最高のパンク・ミュージックだし、マーク・E・スミスこそ、永遠のパンクスだと思う。なんか、近く、通算27枚目だか28枚目だかのフル・スタジオ・アルバムが出るらしい。すげえよ。感服。
それから、こちらは年末からだけど、ここのところずっと太宰治を読んでいまして。もちろん、太宰を読むのは初めてじゃないけど、読みこぼしていたのがけっこうあって、これがもう……なんというべきか。すごいです。ついこの間、歳取ると感動することが少なくなってねえ、などと誰かにこぼしたような気がするんだけど、やっぱ、嘘です、ぜんぜん感動しますわ、ひょっとしたら若いときより感動するかもしれません。おれは若いときより若くなっているのかもしれません。
そして、2010年、最初のビッグ・ニュース。ついに、ようやく、とうとう、稀代のマスターピース、幻の大傑作、おれの処女作、『アレルヤ』が文庫化されることになりました! イエーイ! これまでは図書館でしか(あるいは地域によっては図書館ですら?)読めなかった05年発表の短篇「おれのユッキー」も併録されます。随想なんかも新たに書いちゃおうかなあ……なんて思いつきでものを言っちゃいけないか。とまれ、双葉文庫より、3月に刊行されます。乞うご期待。
では、今日はこのへんで。
みんなにとって素敵な一年でありますよう。
謹賀新年。今年もよろしくお願いします。
昨年の年明けもたしかそうだったような気がするけど、どういうわけか年始からフォール/ The Fall を聴きまくっていて、家人から鬱陶しがられています。たいていの音楽には文句をいわないんだけどね、フォールをかけていると鋭敏に反応して嫌がるんだよね。どうも神経に障るらしくて。気のせいかもしれないけど、猫たちもそわそわ(苛々?)してくるような。ま、猫の反応はさておき、家人に拒否されればされるほどに、フォールへの我が愛情とリスペクトは深くなるのもまた事実で。本来、パンクってのは、もっと言っちゃえば、ロックンロールってのは、家族と朗らかに聴く音楽じゃないしね。そういう意味でも、フォールって最高のパンク・ミュージックだし、マーク・E・スミスこそ、永遠のパンクスだと思う。なんか、近く、通算27枚目だか28枚目だかのフル・スタジオ・アルバムが出るらしい。すげえよ。感服。
それから、こちらは年末からだけど、ここのところずっと太宰治を読んでいまして。もちろん、太宰を読むのは初めてじゃないけど、読みこぼしていたのがけっこうあって、これがもう……なんというべきか。すごいです。ついこの間、歳取ると感動することが少なくなってねえ、などと誰かにこぼしたような気がするんだけど、やっぱ、嘘です、ぜんぜん感動しますわ、ひょっとしたら若いときより感動するかもしれません。おれは若いときより若くなっているのかもしれません。
そして、2010年、最初のビッグ・ニュース。ついに、ようやく、とうとう、稀代のマスターピース、幻の大傑作、おれの処女作、『アレルヤ』が文庫化されることになりました! イエーイ! これまでは図書館でしか(あるいは地域によっては図書館ですら?)読めなかった05年発表の短篇「おれのユッキー」も併録されます。随想なんかも新たに書いちゃおうかなあ……なんて思いつきでものを言っちゃいけないか。とまれ、双葉文庫より、3月に刊行されます。乞うご期待。
では、今日はこのへんで。
みんなにとって素敵な一年でありますよう。
12.24.2009
ちっともレヴューにはなっていない、スズモのフィルム・レヴュー、No.1879
ども〜。
ツイッターには3日で飽きちゃったね。3日坊主、というか、覚えたらそれで満足したという。
さて、クリスマスに年の瀬か。ぼくはいっそのこと両方とも無視して寒い冬の中央分離帯を突っ切ろうと思ってるんだけど。ま、チキンくらいは食べるかも。それと、年賀状くらいは買うかも(出すかどうかはともかく)。……あ、掃除もさせられるか……。この間、掃除グッズを買ってたもんなあ……。
えー、最近、映画館と試写で観た映画をざっと乱暴に紹介。スズモの不定期フィルム・レヴュー。
まずは、『脳内ニューヨーク』チャーリー・カウフマン脚本・監督。
じつは東京でのロードショーはもう終わっちゃったんだけど。文句なしに五つ星。観終わってから15分ほど渋谷の街をさまよい歩いた、すぐには自分の生きる日常に戻っていけなくて。今年のベスト3には絶対に入る。ここ5年のベスト10にも入るな。ほんとはぼく、基本的には非リアリズムの作品って好きじゃないんですよ、映画に限らずね。スターウォーズとか千と千尋の神隠しとかについて行けないタチなわけ。かつて学生時代、インディ・ジョーンズを普通に料金払って映画館にまで観に行って途中で眠った男だからね、いっしょに行った友人には呆れられたけど。まあ、SFとかアニメとかファンタジーとかまでいかなくとも、現実的にあり得ないシーンが出てきたり、あまりにもつじつまが合っていなかったりすると、女の子の脛毛を目の当たりにした時みたいにあっさり白けるわけ。夢のない男なの。狭量な男なの。関係ないかもしれないけど寝てる時に見る夢も夢のくせに妙にリアルだしね。空を飛んだり妻の骨をしゃぶったりできないんだよ、おれ。たぶん、悲しいことなんだろうけど。が、しか〜し! とりわけ『マルコヴィッチの穴』がそうだったけど、カウフマンは別だね(ついでにいえば、ディヴィッド・リンチも別)。リアルかどうかはどうでもよくなる。というか、彼の脚本って非リアル世界の前提となっているシチュエーションと感情が怖いくらいにリアルなんだよね。少なくとも愛と死と芸術について考えたことのある人なら、ぐっとくるはず。たぶんだけど、胸をかき乱されるはず。俳優陣はほとんどが中年だけどみんな素晴らしい。ジョン・ブライオンの音楽も素晴らしい。まだロードショーの続いてる都市の方は急いで。関東地区や終わってしまった都市の方はDVDが出るのを待って。
それから、試写で観た『フローズン・リバー』コートニー・ハント脚本・監督。
一般公開は来年1月末だそうだけど、ぼくが2009年に観たという意味では、これも今年のベスト3に入れたい(ということは、あともう一本はやはり『レスラー』ということになるか)。いや、入れたい、どころか、いっそナンバーワンにしてもいいくらいだ。うんそうしよう、ナンバーワンにしよう。発表します。ぼく(おれ、わたし)、桜井鈴茂が2009年に観た映画のナンバーワンは『フローズン・リバー』です。はい、たしかに、コートニー・ハントという女性監督の長篇デビュー作であり、有名な俳優が一人も出ていないインディペンデント映画である、ということで、判官贔屓はあるけど。つーか、そんなのあって当然か。……少しだけ内容に触れると……いや、やめておこう……面倒だし。ようするに、貧困と犯罪ってのが縦糸で、親子の愛情と母親同士に芽生える友情ってのが横糸。これらに、アメリカ社会における民族的マイノリティーというインクを染み込ませて、淡々と、かつ、丹念に、けっして喜劇にも悲劇にも流れることなく、ひたすらニュートラルに縫いあげていった大傑作。とくに、豊かな社会における貧しい暮らしとその悲哀をこれほど生々しく描いた映画をぼくは知らない。ま、だから、社会的な、とも言えるんだけど、それ以上にどこまでも芸術的。ようするに、レヴェルの高い芸術作品ってのは、現実の社会問題をカヴァーしちゃうキャパがあるってことだと思う。……あ! 今、手元にあるフライヤーをちら見して突然に思い出したけど、コーエン兄弟の『ファーゴ』の匂いもある。……けど、この『フローズン・リバー』の前では『ファーゴ』さえ霞む。ダニエル・ジョンストンの前ではポール・マッカートニーも縮むのと同じだ。……いやまあ、とにかく、素晴らしいんだよ! ぜひ、観て!
最後に、これも試写で観た『抱擁のかけら』ペドロ・アルモドバル脚本・監督。
……なんだが、だんだん疲れてきたし(じつはカゼをひいてしまい)、こちらは1月25日発売の「クロワッサン」誌に寄稿したので、そちらをお読みください。もちろんそこでは、こんなブログの主観オンリーの言いっ放しじゃなくて、ちゃんとストーリーにも触れてるし、少しはレヴューらしくなっているはずなので。一言だけ言っておくと……なんてったってアルモドバルだからね。最高級のメロドラマだよ!
それと、前回も書いたけど、今週土曜26日午後4時から、シンガーソングライターの中村ジョーくんと、下北沢のギャラリー&カフェcommuneでトークするので、良かったら遊びにきて。
それでは。
メリークリスマス。
鼻水とまらないよ。
ツイッターには3日で飽きちゃったね。3日坊主、というか、覚えたらそれで満足したという。
さて、クリスマスに年の瀬か。ぼくはいっそのこと両方とも無視して寒い冬の中央分離帯を突っ切ろうと思ってるんだけど。ま、チキンくらいは食べるかも。それと、年賀状くらいは買うかも(出すかどうかはともかく)。……あ、掃除もさせられるか……。この間、掃除グッズを買ってたもんなあ……。
えー、最近、映画館と試写で観た映画をざっと乱暴に紹介。スズモの不定期フィルム・レヴュー。
まずは、『脳内ニューヨーク』チャーリー・カウフマン脚本・監督。
じつは東京でのロードショーはもう終わっちゃったんだけど。文句なしに五つ星。観終わってから15分ほど渋谷の街をさまよい歩いた、すぐには自分の生きる日常に戻っていけなくて。今年のベスト3には絶対に入る。ここ5年のベスト10にも入るな。ほんとはぼく、基本的には非リアリズムの作品って好きじゃないんですよ、映画に限らずね。スターウォーズとか千と千尋の神隠しとかについて行けないタチなわけ。かつて学生時代、インディ・ジョーンズを普通に料金払って映画館にまで観に行って途中で眠った男だからね、いっしょに行った友人には呆れられたけど。まあ、SFとかアニメとかファンタジーとかまでいかなくとも、現実的にあり得ないシーンが出てきたり、あまりにもつじつまが合っていなかったりすると、女の子の脛毛を目の当たりにした時みたいにあっさり白けるわけ。夢のない男なの。狭量な男なの。関係ないかもしれないけど寝てる時に見る夢も夢のくせに妙にリアルだしね。空を飛んだり妻の骨をしゃぶったりできないんだよ、おれ。たぶん、悲しいことなんだろうけど。が、しか〜し! とりわけ『マルコヴィッチの穴』がそうだったけど、カウフマンは別だね(ついでにいえば、ディヴィッド・リンチも別)。リアルかどうかはどうでもよくなる。というか、彼の脚本って非リアル世界の前提となっているシチュエーションと感情が怖いくらいにリアルなんだよね。少なくとも愛と死と芸術について考えたことのある人なら、ぐっとくるはず。たぶんだけど、胸をかき乱されるはず。俳優陣はほとんどが中年だけどみんな素晴らしい。ジョン・ブライオンの音楽も素晴らしい。まだロードショーの続いてる都市の方は急いで。関東地区や終わってしまった都市の方はDVDが出るのを待って。
それから、試写で観た『フローズン・リバー』コートニー・ハント脚本・監督。
一般公開は来年1月末だそうだけど、ぼくが2009年に観たという意味では、これも今年のベスト3に入れたい(ということは、あともう一本はやはり『レスラー』ということになるか)。いや、入れたい、どころか、いっそナンバーワンにしてもいいくらいだ。うんそうしよう、ナンバーワンにしよう。発表します。ぼく(おれ、わたし)、桜井鈴茂が2009年に観た映画のナンバーワンは『フローズン・リバー』です。はい、たしかに、コートニー・ハントという女性監督の長篇デビュー作であり、有名な俳優が一人も出ていないインディペンデント映画である、ということで、判官贔屓はあるけど。つーか、そんなのあって当然か。……少しだけ内容に触れると……いや、やめておこう……面倒だし。ようするに、貧困と犯罪ってのが縦糸で、親子の愛情と母親同士に芽生える友情ってのが横糸。これらに、アメリカ社会における民族的マイノリティーというインクを染み込ませて、淡々と、かつ、丹念に、けっして喜劇にも悲劇にも流れることなく、ひたすらニュートラルに縫いあげていった大傑作。とくに、豊かな社会における貧しい暮らしとその悲哀をこれほど生々しく描いた映画をぼくは知らない。ま、だから、社会的な、とも言えるんだけど、それ以上にどこまでも芸術的。ようするに、レヴェルの高い芸術作品ってのは、現実の社会問題をカヴァーしちゃうキャパがあるってことだと思う。……あ! 今、手元にあるフライヤーをちら見して突然に思い出したけど、コーエン兄弟の『ファーゴ』の匂いもある。……けど、この『フローズン・リバー』の前では『ファーゴ』さえ霞む。ダニエル・ジョンストンの前ではポール・マッカートニーも縮むのと同じだ。……いやまあ、とにかく、素晴らしいんだよ! ぜひ、観て!
最後に、これも試写で観た『抱擁のかけら』ペドロ・アルモドバル脚本・監督。
……なんだが、だんだん疲れてきたし(じつはカゼをひいてしまい)、こちらは1月25日発売の「クロワッサン」誌に寄稿したので、そちらをお読みください。もちろんそこでは、こんなブログの主観オンリーの言いっ放しじゃなくて、ちゃんとストーリーにも触れてるし、少しはレヴューらしくなっているはずなので。一言だけ言っておくと……なんてったってアルモドバルだからね。最高級のメロドラマだよ!
それと、前回も書いたけど、今週土曜26日午後4時から、シンガーソングライターの中村ジョーくんと、下北沢のギャラリー&カフェcommuneでトークするので、良かったら遊びにきて。
それでは。
メリークリスマス。
鼻水とまらないよ。
12.16.2009
Talk@Commune
こんにちは。やっと冬らしい寒さ。押し迫ってきたな2009も。実感はないけど。というかあえて視界に入れぬように。
昨日、友人に、Twitter超面白いよって猛プッシュされてさっそく入会……入会って大げさか、とにかくはじめた。まだ面白さはわからぬ。いや、わりに面白いかもという予感はある。そうそう、2ヶ月くらい前にiPhoneに変えたのね……変えたんだけど、ごくふつうの携帯電話端末として使ってた。せっかくだし、まあちょっと、新しいコミュニケーション宇宙をさまよってみるか、と。
それはそうと、緊急なニュース。12月26日土曜の午後、下北沢のcommuneというギャラリー兼カフェ(正式にはなんていうんだろう?)で、シンガーソングライターの中村ジョーくんとともにトークショーをやります。2009年に出会った素敵な本や音楽や映画やその他について語ってくださいとのことなので、まあゆるゆるとお話しします。ジョーくんは弾き語りも披露してくれるみたい。気軽にお越しいただけると嬉しいです。
今日は取り急ぎ。
さてさてツイッタ―笑
昨日、友人に、Twitter超面白いよって猛プッシュされてさっそく入会……入会って大げさか、とにかくはじめた。まだ面白さはわからぬ。いや、わりに面白いかもという予感はある。そうそう、2ヶ月くらい前にiPhoneに変えたのね……変えたんだけど、ごくふつうの携帯電話端末として使ってた。せっかくだし、まあちょっと、新しいコミュニケーション宇宙をさまよってみるか、と。
それはそうと、緊急なニュース。12月26日土曜の午後、下北沢のcommuneというギャラリー兼カフェ(正式にはなんていうんだろう?)で、シンガーソングライターの中村ジョーくんとともにトークショーをやります。2009年に出会った素敵な本や音楽や映画やその他について語ってくださいとのことなので、まあゆるゆるとお話しします。ジョーくんは弾き語りも披露してくれるみたい。気軽にお越しいただけると嬉しいです。
今日は取り急ぎ。
さてさてツイッタ―笑
12.04.2009
ダイナミズムとはロマンチシズムが
あれあれ、気がつけば、師走に入ってる。早すぎるっての。参るね。
とくに書くこともないんですわ。失意にひしがれている毎日です。などと書いても、冗談に聞こえるみたいなんですけどね、冗談じゃないです。←右の写真とかが良くないんですかね? しかし、わざわざサッドフェイスの写真を撮るのもねぇ。
何日か前のこと、すでに契約は切れたはずなのに、なお律儀に配達される読賣新聞を読んでいると、国際面にウルグアイの大統領選挙のニュースが載っておりました。中道左派与党「拡大戦線党」のホセ・ムヒカ氏(74)が当選を確実にした、と。「優しい風貌の元ゲリラ」と題された写真付きの囲み記事によると、この方、「かつては強盗や誘拐に手を染めた元左翼ゲリラ」だそうで。要約するの面倒なので、というか、記事がすでに要約なので、そのまま転載します。「首都モンテビデオ出身。小学3年で父を亡くし、貧困の中で育った。家畜の世話や花売りなどで家計を助け、20代で労働運動にかかわり、やがてゲリラ活動に身を投じた。1972年に検挙され、軍事政権が終わる85年まで収監された。出所後は元ゲリラ仲間と政治団体を作り、95年に初当選。2005年にはバスケス大統領率いるウルグアイ初の左派政権で、農牧水産相に就任した。……(中略)飾らない性格で、貧困層や工場労働者の支持は高い。愛称は「ペペ」。05年、ゲリラ時代に知り合ったルシア・ポランスキー上院議員と結婚。愛読書はセルバンテスの小説「ドン・キホーテ」という。」……いやあ、なんかわくわくしませんか? 希望があるでしょ? こういう人が大統領になれちゃうダイナミックな世の中って。それに比べて、我が国というのは、ほんと閉塞的な社会だよねえ。端っから首相になりそうな出自のやつがまんまと首相になってしまうという。いや、ぼくは今のところハトヤマさんをわりと支持してはいるんですけどね、そういう個人的な思いはひとまず置いといてさ、そんなのばっかりでしょ、日本の首相って。少なくともここんところは。そりゃヤギの世話やマッチ売りを経験していればいいってもんでもないけどね、逼迫した理由による万引きを経験したことのないボンボン野郎に……いや、まあいいんだけどさ、つまらん感じがするのよ。閉塞感ってのはこういうところにも根があるのだと思う。せめて、例えば、ノリピーが前原大臣(歳も近いし)と電撃結婚してさ、そんでもってノリピ―のあげまんに乗って前原さんが首相就任とか、そういうこと起きないかな。……この世にもっとダイナミズムを!
なんて思いで、新聞をさらにめくっていくと、今度は村上春樹氏が『1Q84』で第63回毎日出版文化賞を受賞というニュースに行き当たるわけ。……ああ。つまらん。あんなに売れた、あんなに話題になった本に、しかもとっくに権威を確立した作家に、今になってこんな賞をわざわざ授与する必要はあんのかな。ほんとに、つまらん。こういう、なんていうの? 無難な、事なかれ主義的な、日和見主義的な、その結果、強きを助け弱きを挫くことにもなる臆病なノリというか態度が、ニッポン国には蔓延してるように思うんだけど。もっとカウンターな意識とか気概はないわけ? ほんとイヤになっちゃうよ、去勢された羊みたいなのばっかりで。……あれ? マズいこと口走ったかな。かもな。まあ、いいよ。
で、話し戻るけど、最初のニュース、ウルグアイのね、わくわくするほかにも、なんでか妙にロマンチシズムとでもいうべきものを感じていて、最初は自分でもなんでかわからなかったんだけどさ、数時間後にハッとなった。ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短篇に、ウルグアイの左翼の大人物が出てくるのがあって、それがこの現実のニュースの土壌に雨水のように浸透してたんだよね。というわけで、本棚の奥から探し出して再読しました。『砂の本』に入ってる「会議」ってやつ。タイトルは素っ気ないけど、いや、内容もある意味、素っ気ないんだけど、それでも甘美で、切なくて、麗しくて、ああもう、たまらんよ。
ダイナミズムとはロマンチシズムが支えているのである。
……なんて言ってみたくなりました。
いうまでもなく、ロマンチシズムとは、この世を水浸しにしている、あの安い感傷のこと、ではない。
では、良いお年を!……あ、それは早いか。もう一度くらいはね。
とくに書くこともないんですわ。失意にひしがれている毎日です。などと書いても、冗談に聞こえるみたいなんですけどね、冗談じゃないです。←右の写真とかが良くないんですかね? しかし、わざわざサッドフェイスの写真を撮るのもねぇ。
何日か前のこと、すでに契約は切れたはずなのに、なお律儀に配達される読賣新聞を読んでいると、国際面にウルグアイの大統領選挙のニュースが載っておりました。中道左派与党「拡大戦線党」のホセ・ムヒカ氏(74)が当選を確実にした、と。「優しい風貌の元ゲリラ」と題された写真付きの囲み記事によると、この方、「かつては強盗や誘拐に手を染めた元左翼ゲリラ」だそうで。要約するの面倒なので、というか、記事がすでに要約なので、そのまま転載します。「首都モンテビデオ出身。小学3年で父を亡くし、貧困の中で育った。家畜の世話や花売りなどで家計を助け、20代で労働運動にかかわり、やがてゲリラ活動に身を投じた。1972年に検挙され、軍事政権が終わる85年まで収監された。出所後は元ゲリラ仲間と政治団体を作り、95年に初当選。2005年にはバスケス大統領率いるウルグアイ初の左派政権で、農牧水産相に就任した。……(中略)飾らない性格で、貧困層や工場労働者の支持は高い。愛称は「ペペ」。05年、ゲリラ時代に知り合ったルシア・ポランスキー上院議員と結婚。愛読書はセルバンテスの小説「ドン・キホーテ」という。」……いやあ、なんかわくわくしませんか? 希望があるでしょ? こういう人が大統領になれちゃうダイナミックな世の中って。それに比べて、我が国というのは、ほんと閉塞的な社会だよねえ。端っから首相になりそうな出自のやつがまんまと首相になってしまうという。いや、ぼくは今のところハトヤマさんをわりと支持してはいるんですけどね、そういう個人的な思いはひとまず置いといてさ、そんなのばっかりでしょ、日本の首相って。少なくともここんところは。そりゃヤギの世話やマッチ売りを経験していればいいってもんでもないけどね、逼迫した理由による万引きを経験したことのないボンボン野郎に……いや、まあいいんだけどさ、つまらん感じがするのよ。閉塞感ってのはこういうところにも根があるのだと思う。せめて、例えば、ノリピーが前原大臣(歳も近いし)と電撃結婚してさ、そんでもってノリピ―のあげまんに乗って前原さんが首相就任とか、そういうこと起きないかな。……この世にもっとダイナミズムを!
なんて思いで、新聞をさらにめくっていくと、今度は村上春樹氏が『1Q84』で第63回毎日出版文化賞を受賞というニュースに行き当たるわけ。……ああ。つまらん。あんなに売れた、あんなに話題になった本に、しかもとっくに権威を確立した作家に、今になってこんな賞をわざわざ授与する必要はあんのかな。ほんとに、つまらん。こういう、なんていうの? 無難な、事なかれ主義的な、日和見主義的な、その結果、強きを助け弱きを挫くことにもなる臆病なノリというか態度が、ニッポン国には蔓延してるように思うんだけど。もっとカウンターな意識とか気概はないわけ? ほんとイヤになっちゃうよ、去勢された羊みたいなのばっかりで。……あれ? マズいこと口走ったかな。かもな。まあ、いいよ。
で、話し戻るけど、最初のニュース、ウルグアイのね、わくわくするほかにも、なんでか妙にロマンチシズムとでもいうべきものを感じていて、最初は自分でもなんでかわからなかったんだけどさ、数時間後にハッとなった。ホルヘ・ルイス・ボルヘスの短篇に、ウルグアイの左翼の大人物が出てくるのがあって、それがこの現実のニュースの土壌に雨水のように浸透してたんだよね。というわけで、本棚の奥から探し出して再読しました。『砂の本』に入ってる「会議」ってやつ。タイトルは素っ気ないけど、いや、内容もある意味、素っ気ないんだけど、それでも甘美で、切なくて、麗しくて、ああもう、たまらんよ。
ダイナミズムとはロマンチシズムが支えているのである。
……なんて言ってみたくなりました。
いうまでもなく、ロマンチシズムとは、この世を水浸しにしている、あの安い感傷のこと、ではない。
では、良いお年を!……あ、それは早いか。もう一度くらいはね。
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