4.23.2008

QUEEN'S HOTEL ANTIQUESにて

ゆうべは、吉祥寺にあるクイーンズ・ホテル・アンティークスの、この世のものとは思えぬ素晴らしいスイート(と言いたくなる素敵な屋根裏部屋)で、最近知り合って意気投合した星野有樹とその妻リミちゃんと三人で飲み食い語り明かした。午後7時ちょっと前に始めて午前5時過ぎまでの約10時間半、途中トイレに3回か4回、それ以外は休憩も居眠りもなしで、飲み続け喋り続けた。こんなにワンダフルな徹夜はいつ以来だろうか。シメイ、キリン・クラシック・ラガー、シェリー、スパークリング・ワイン、スコッチ・ウィスキー、マグロとアサリの煮込み、フジッリとブロッコリー、バゲット、恋話、映画や小説や音楽や写真の話、バカ話、家計の話、希望や失意の話、人の悪口、この世への罵倒、この世界への慈しみ、ハッピーバースディトゥーユー、タバコ、イチゴ、かきの種、夜の静寂とその静寂を突き破る車の走行音、白んでゆく空、朝の陽光、その他、そういうぜんぶが、ものすごく味わい深かった。しかも、最近の傾向として、多いに飲んで多いに喋った翌日というのは、たいてい塞ぎの虫に襲われていたのに、今日はこうしてブログを書いてしまうほどに、元気なのだ。あれ?虫くん何処?みたいな。そして、今日はおれの誕生日なのだ。イエーイ。何歳になったかはいささかびびっているので教えないけどね。

4.16.2008

ジェリーフィッシュ

 あんまりたくさん数を観ないせいか、すごく吟味するせいか、映画選びに関しては天才的な嗅覚を有してるせいか(!)、プライベートで観る映画(映画館でね)に、ほとんど外れはないのだけど、久々にちょっとコケました。「ジェリーフィッシュ」。現実とファンタジーのバランスがどうも気持ち悪いんだよなー。あと、なんというか、パステル調のセンチメンタリズムも。つまり、だから、パステル調が好きな人は気に入るかも。パステルズは好きだけど、パステル調はダメなんよ、おれ。
 あと、なんか話題あったっけな? いっぱいあるといえばあるし、ぜんぜんないといえばない。ノックアウトされるような音楽や小説にもここんとこ出会っていないような。ザ・フォール(the fall)にはジャブを食らいまくってるけどね。トム・ジョーンズにもボディブロウを決められてるんだけどね、けど、読み返すの、もう四回目とかだから、ダウンはしません。あ、そうそう、これから公開になる映画では、ロイ・アンダーソン監督の「愛おしき隣人」がすげえ楽しみ。前作の「散歩する惑星」にはやられたからなあ。あと、今公開されてる「今夜、列車は走る」っていうアルゼンチンの映画が気になる。明日あたり観に行こうかな。観に行ってもここに感想を書くかどうかはわからないけど。いや、べつに意地悪とかじゃなくてさ。その程度なんだよ、このブログの存在って。って自分で言ってどうする? 慌ててフォローすると、しかしながら侮れないぞ。とんでもなくワンダフルなことを書くかもしれないぞ。

さて、今月も「女たち」が更新されました。「タマヨ」です。ご笑覧を。
チャオ。

4.08.2008

だらだら。

そう言えば、ずいぶん長いこと、走ることについて書いてないね。けど、書いてないだけで、それなりに走ってるんだな。まあ、週にせいぜい二回だけどね。距離も長くて10キロとかだけどね。ペースもだいぶ落ちたし。
で、昨日は、花見客で賑わう、あるいは酔っ払いでうっとうしい、駒沢公園のジョギングコースを六周=約13キロ走った。今日は調子いいなあ、と走りながら思ってはいたのだけど、時計を見て、びっくり。往年の、ってへんだな、たかが一年数カ月まえのことだから、えーと、つまり、自己ベストに近い走りが戻ってきたではないか。しかも、最後のほうは日差しのかんじもすごく良くて、風の強さも冷たさもちょうど良くて、ちょっとだけアレを感じたぜ。アレを。ちょっとだけだけど。
前回の文章のせいで、何人かから「大丈夫?」系のメールをもらったけど、ぜんぜん大丈夫よ。ぜんぜん大丈夫じゃないのは、コンサドーレ札幌だよ! 何年かぶりにJ1に戻ってきたので、おれも先週末、何年かぶりに、味の素スタジアムに観戦に行ったのよ。悄然としたね。まあ、選手は一生懸命やってるんだろうけど。お金のないチームの悲哀。溜息をつきっぱなしの、おれと結婚していなかったら、絶対に札幌のサポーターになっていなかった妻に責任を感じ。けど、阪神タイガースは調子いいからね。最初だけかもしれないけど。まあ、うまく行くこともあれば、いまいちなこともあるってこと。と、無理やり結論して、今日は寝ます。グンナイ。
しっかし、だらだらとした文章だな! 

4.02.2008

タンガニーカ湖の水質調査に行ってたわけじゃないんです。

いつものことだけど、しばらくです。けど、今回の、しばらく、には、いつもとはべつの理由があってね。タンガニーカ湖の水質調査に行ってた、とかとはべつの理由が。皆さんご存知のように、おれ、基本的には、このブログには真面目な、というか、シリアスなテーマについては書かない、と決めてるわけ。誰かと論争になるようなこととか、批判めいたこととかは書かないってね。あと、感情を吐き出さざるを得なくなるような私的なことも。それがおれにとってのブログの流儀。ね? だって、ここには編集者がいない、つまり、検閲の機能がまったく働いていないわけじゃん。書くのもおれなら、アップするのもおれ。垂れ流しで書いてたら、それこそ収拾がつかなくなるでしょ。まあ、じっさい、ネット海を漂っていると、そういう光景に遭遇することが多々あるんだけどね(それこそがネット空間の面白いところ、と言えなくもないんだが)、少なくともおれは、自己抑制のないブログや、ひき逃げ的な書き込みを心から軽蔑してる。あ、だから、もちろん、プロの批評家や小説家が、自分の名前を晒して、つまり、自分の職業生命を半ばかけて、書いてるのはいいんだよ。それは非常に真摯な姿勢だから。ちょっと矛盾するかもしれないけど、そういう意味では、おれも名前を(顔も!)晒してるわけだし、なにを書いてもいいんだろうけど、原稿料なしでそんなタフなことやってられっか、ってのもあって(これは重大)、書かない。
ところが、この間、久しぶりにネット海に、しかも大海ではなく、内海に出ていたら、とあるブログに、看過し難い寸評があってね。頭に来たし、正直、傷ついた。具体的には、群像に掲載された「ウィンタータイム・ブルーズ」を批判してるわけだけど、その批判内容はどうでいいの。おれの小説をどう読もうが、どんな感想を持とうが、それは言うまでもなく、それぞれの自由なんだから。おれが愕然としたのは、おれとその人との個人的関係にもかかわらず、批判めいたことを、ブログというパブリックなスペースにぬけぬけと書いてしまうっていう行為。人間関係の如何にかかわらず、作品を批評し、それを公共の場に、しかもまったく検閲のない場に、書くことが、クールだ、とでも思っているのだろうか。つーか、あんたはプロの批評家? なんか勘違いしてないか? 何か言いたいことがあったら、おれに直接言えばいいんじゃないの? 電話番号だってメールアドレスだって知ってるんだしさ。・・・おれの言いたいこと、皆さんに伝わってるだろうか? 要するにね、例えばだけど、おれが、曽我部恵一の新曲に、批判的な感想なり意見なりを持ったとするよ。でも、それをずけずけとこのブログに書く? 書かないよ、絶対に。だって友人じゃん。そういうのは本人に会った時に「おれはこれこれこう思うんだよねー」って伝える。繰り返すけど、それが友人ってことだし、言い換えれば、愛の希薄なこの世界における死守すべきささやかな愛だし、あるいは愛なんていう野暮ったいかもしれない物言いを避けるなら、マナーや抑制の箍が外れた荒れ狂うネット海での、最低限のマナーや抑制ってもんじゃないのか。
というようなことを書こうか書くまいか、書くとしたらどんなふうに書こうか、迷っているうちに、しばらく、になってしまったのである。結局、こんな書き方になってしまったけどね。
次回からは、また、テキトーなブログに戻ります。楽しみにしててね。あ、いや、楽しみにしてもらうほどのブログではないんだが。ほんとは今日も映画の話をしたかったんだよなあ。「ダージリン急行」! 「コントロール」!