11.05.2009

4時間後の世界

さわやかな秋晴れの朝。……秋、というより、そろそろ初冬ですか。

この連休は那須・塩原に出向き、いいかんじでひなびた温泉旅館と山間の紅葉とそこに舞い散る初雪を堪能後、パリ以来八ヶ月ぶりにハーフマラソンを走りました。タイムはなんと、自分世界最高記録の1時間48分05秒…くらい!(…くらい、というのはまだ正式タイムが送られてきていないので。)まあ、昨年も出場したこの那須塩原ハーフマラソンは、コースが、前半は緩い上り坂、後半は緩い下り坂、しかも、混んでいないし、空気はきれいだし、乳牛の姿なども散見できる田園風景は素朴で美しいし、美女ランナーはめっぽう少なく目と心を奪われることもないので、好タイムが出やすいんだけどね、それにしても日頃の練習は不足していたし、その数時間前、脱衣場で計ったところによると体重は高校時代以来の最重タイを記録していたし、前日当日と原因不明の便秘に悩まされていたりしたので、我ながら驚いていますが。驚いているというか、練習不足ゆえに、いまいち充足感がないんだけど。これがばっちり練習を積んだ上でのタイムならねえ……。でも、レース途中に、天気雨ならぬ天気雪がひらひら舞っていたりして、雰囲気と気分は最高だったな。
あ、それで、ほんとうは、世界記録を更新せんとする我が勇姿の写真をスポーツ新聞風にアップしたいところなのだけど、元秘書でもある我らがランニングチーム・UJOS専属フォトグラファーのEが(まさかオレがこんな好タイムでゴールすることはないだろうと高をくくっていたのだろう)、豆餅食ったりなめこ汁飲んだりイケメンランナーにうつつを抜かしたりしていて、シャッターチャンスを逃しやがった! ので、スタート前の集合写真を。



ところで、レース後、汗を流すべく&冷えた体を暖めるべく、日帰り温泉スポットに寄ったのだけど、そこの露天風呂で、ハーフマラソンはしょっちゅう(11月は毎週らしい)、フルマラソンも年に3、4回は走るという、すこぶるセクシーにしまった肉体の、50歳くらいの強者市民ランナーとつかの間、会話を交わした。これがなかなか面白くてね。彼いわく、ハーフとフルはぜんぜん別世界だと。「ハーフは10キロ走れるようになれば完走できるでしょ。少しくらい体調悪くてもなんとかなるしね。でもねえ……フルは……」と、そこで、いったん言葉を飲み込み、いささか口調を変えると彼は以下のように述べたのであった。「4時間後の世界がどうなっているかはまったく予期できないんだ」

いつか書くかもしれない、できれば書いてみたい、近未来サイバーパンク小説のエピグラフにでも引用させていただきたい箴言である。

ではまた〜。