わぁーお。ひと月以上、更新してなかった!
わぁーお、じゃねえか。今、ログインのパスワードを二度も間違える始末。
更新しなかった――理由1、忙しかった。「女たち」の書き下ろし分に集中してた。
理由2、何を書いていいのかわかんなくなった。何を書くわけ?とか思って。書きたいこともないといえばないし。書き方みたいなのもわからなくなるし。
理由3、怠惰。やっぱり怠惰。
理由4、嫌い。やっぱり嫌い。
まあいいや。そういう時もあるよ。ね? 許して。
この間の連休、半年ぶりにハーフマラソンを走った。今回は初出場となる那須塩原ハーフマラソンという大会。忙しかったので、走り込みが足りず、ほんの10日前までは完走さえ危ぶんでいたのだけど、最後は力ずくで調整し、終わってみれば、自己記録をなんと三分以上も更新する驚異のタイムで完走。しかも、コースと気候のせいもあってか、ほとんど最初から最後まで、楽しくってね。しんどかったのは、5〜7キロぐらいと19キロ以降だけ。あとはもう、ウハウハな気分で走ってた。沿道の観衆、というか、がんばれーとかって声をかけてくれる地元民(七割は高齢者、そのまた三割は車椅子からの声援)に手を振り返したりしてね。プレイリストもばっちり。今回はおれにしては珍しく、明るい曲の比率を多くしたのがよかった。明るい曲といっても、phoenixとかlemon jellyとかキリンジとかなんだけど。次は1月の千葉マリンだ。で、その次は3月のパリを走りたい。セミ・マラトン・デ・パリ! パリよ! 燃料チャージと為替レートとおれの稼ぎ次第だぜ。世の中、やっぱ、金だよな〜。金こそすべてだ。All I need is money!
お知らせ、1。「女たち」の単行本は来年1月末の発売となりそう。3話を書き下ろしたので、ぜんぶで13話。それに「サンドラ」の英訳も併せて収録されます。英訳だぜ! コネチカットの叔母さんとかにも読ませてあげてね。
お知らせ、2。12月20日(土曜)に、朝日カルチャーセンター新宿校で、文芸評論家であり、おれがもっとも尊敬する書き手の一人である、石川忠司氏と対談やります! メインテーマは小説作法・・・ということになるかな。小説を書いている人はもちろん、小説を読むのを人生の大きな楽しみにしている人に、刺激と勇気と失望(笑)をもたらしたいと思ってる。今からスケジュール帳に赤丸を付けといて。昼間です。詳しくはこちらで。
ではまた。
C U next week.maybe.
11.07.2008
10.06.2008
ゴジラって火を吹くんだっけ?
Eで〜す。お久しぶりで〜す。
スズモ先生はお忙しいようなので今日はわたしが一肌脱ぎます……というのはウソで、おれだよスズモ本人だよ、残念ながら。最近、無給秘書のEがちっとも登場しないよねえ。好きな時に更新していいよって言ってあるんだけどね、思いのほかシャイみたい(ほんとか?)。
ともあれ、ほんとに久しぶり。不穏なタイトルの日記が張り出されたままでしたけど、べつに悪気や企みはありません。忙しいだけ。あと、ブログがあんまり好きじゃないだけ(笑)。やめないけどね。少なくとも当分は。
今日は一つ自慢話を。おれもずっと知らなかったんだけど、7月発売の「文藝」秋号の文芸時評において神山修一氏が、「群像」の4月号に掲載されたおれの「ウィンタータイム・ブルーズ」を取り上げてくれているんだけど、これがとても的を射た、しかも素敵な評でね。すごくうれしいんだよ。文芸時評自体がそもそも面白いし。7月発売のだからもう本屋さんには置いてないだろうけど、興味のある人は図書館とかでチェックしてみて。じつは、このブログでは基本的に文芸ネタを避けているので報告してなかったけど、「ウィンタータイム・ブルーズ」は掲載翌月の「文學界」(つまり5月号か)の「新人小説月評」というコーナーでも橋本勝也氏が前月のベストに上げてくれていたんだよ。まあ、自信作ではあったんだけどさ。しかしね。しかしね、そのわりに当の文芸誌編集者からは連絡がないよ〜。家の電話鳴らないよ〜。どうなってるんだろうね。文芸セレブの応対で大わらわなのかね?・・・などという話になると、タブーとしている文芸ネタになって、おれゴジラのように火を吹いてしまいそうだから、このへんでやめておこ。
そうそう、「女たち」の単行本だけど、いろいろと事情があって(その中身については言えませんが)、書き下ろし分の執筆が大幅に遅れており、刊行はうまくいって年の暮れ、もしかすると来年早々にずれ込んでしまうかも。待っていてくれてるみなさん、ごめんなさい。そのかわり、最高に素敵な本をお届けすることを約束するので、容赦してちょうだい。
次は阪神タイガースのネタでも。
C U.
スズモ先生はお忙しいようなので今日はわたしが一肌脱ぎます……というのはウソで、おれだよスズモ本人だよ、残念ながら。最近、無給秘書のEがちっとも登場しないよねえ。好きな時に更新していいよって言ってあるんだけどね、思いのほかシャイみたい(ほんとか?)。
ともあれ、ほんとに久しぶり。不穏なタイトルの日記が張り出されたままでしたけど、べつに悪気や企みはありません。忙しいだけ。あと、ブログがあんまり好きじゃないだけ(笑)。やめないけどね。少なくとも当分は。
今日は一つ自慢話を。おれもずっと知らなかったんだけど、7月発売の「文藝」秋号の文芸時評において神山修一氏が、「群像」の4月号に掲載されたおれの「ウィンタータイム・ブルーズ」を取り上げてくれているんだけど、これがとても的を射た、しかも素敵な評でね。すごくうれしいんだよ。文芸時評自体がそもそも面白いし。7月発売のだからもう本屋さんには置いてないだろうけど、興味のある人は図書館とかでチェックしてみて。じつは、このブログでは基本的に文芸ネタを避けているので報告してなかったけど、「ウィンタータイム・ブルーズ」は掲載翌月の「文學界」(つまり5月号か)の「新人小説月評」というコーナーでも橋本勝也氏が前月のベストに上げてくれていたんだよ。まあ、自信作ではあったんだけどさ。しかしね。しかしね、そのわりに当の文芸誌編集者からは連絡がないよ〜。家の電話鳴らないよ〜。どうなってるんだろうね。文芸セレブの応対で大わらわなのかね?・・・などという話になると、タブーとしている文芸ネタになって、おれゴジラのように火を吹いてしまいそうだから、このへんでやめておこ。
そうそう、「女たち」の単行本だけど、いろいろと事情があって(その中身については言えませんが)、書き下ろし分の執筆が大幅に遅れており、刊行はうまくいって年の暮れ、もしかすると来年早々にずれ込んでしまうかも。待っていてくれてるみなさん、ごめんなさい。そのかわり、最高に素敵な本をお届けすることを約束するので、容赦してちょうだい。
次は阪神タイガースのネタでも。
C U.
9.17.2008
日本人がもっとも汚らわしい、とメルドは言った。
こんにちは。
まずは相撲力士の大麻吸引問題について一言。大麻くらいでそんなに目くじら立てんなよ。いいじゃねえか、ハッパくらい吸ったって。しかも、相撲取りだぜ。政治家とか裁判官とかじゃねえんだから。とおれは思うわけだが、なにが腑に落ちないって、口調こそ違えどこういうことを言うやつが日本のメディアの世界にちっとも見当たらないこと。なんでみんな同じ意見なんだ? もっといろんな意見や感想があっていいんじゃないの? だってハッパなんてオランダに行けば合法なんだぞ。オランダ以外の欧米諸国でも、ハッパを個人的に吸ってるくらいじゃ咎められたり捕まったりしないぜ。それと、大麻と、シャブやLSDやヘロインなどケミカルドラッグはまったく別のものだ。そのくらいのこと、報道にかかわってる人間やモノを申す立場にある人間は知っているだろうに。もし知らなかったら勉強しろよ。知ってるんだったらそれをちゃんと報道しろよ発言しろよ。ようするに、ちゃんと働けよ。ジャーナリストや言論人としての職務を全うしろよ。
いや、なにもね、大麻を合法化しましょう、とまで言ってるわけじゃないの、おれは。もうちょっと世の中ゆるくてもいいんじゃない?ってことと、みんなで同じ方向を向くのは危険じゃない?ってことが言いたいの。わかりますか?
それから久々に映画館で映画を観た。『TOKYO!』。知らない人のために簡単に説明しておくと、ミシェル・ゴンドリー(From ニューヨーク)、レオス・カラックス(From パリ)、ポン・ジュノ(From ソウル)、という三人の外国人監督が東京を舞台に撮った短篇(もしくは中篇?)のオムニバス。どれもそれぞれに良かったけど、やっぱレオス・カラックスの〈メルド〉には圧倒されたね。あきらかに制作側の意図を逸脱してるよ。だって、べつに舞台が東京である必然性がないんだもの。日本のお偉いさんが冷や汗を流しそうな、デンジャラスなシーンやセリフに溢れているし。じんわりするシーンやキュンとするシーンなんて皆無。ただもう呆気にとられる。でなければ慄然とさせられる。そうして、むしろ鑑賞後に、重くて深い感動が忍び寄ってくるのだ。
まあ、カラックスに対する贔屓目もあるのかもしれないんだけどね。なんてったって、レオス・カラックスはおれの人生に圧倒的影響を与えた、まあ、少なくとも五人のうちの一人なのだから。
まだ観てない人はぜひとも劇場公開が終わらぬうちに!
ではまた。じゃあねー。
まずは相撲力士の大麻吸引問題について一言。大麻くらいでそんなに目くじら立てんなよ。いいじゃねえか、ハッパくらい吸ったって。しかも、相撲取りだぜ。政治家とか裁判官とかじゃねえんだから。とおれは思うわけだが、なにが腑に落ちないって、口調こそ違えどこういうことを言うやつが日本のメディアの世界にちっとも見当たらないこと。なんでみんな同じ意見なんだ? もっといろんな意見や感想があっていいんじゃないの? だってハッパなんてオランダに行けば合法なんだぞ。オランダ以外の欧米諸国でも、ハッパを個人的に吸ってるくらいじゃ咎められたり捕まったりしないぜ。それと、大麻と、シャブやLSDやヘロインなどケミカルドラッグはまったく別のものだ。そのくらいのこと、報道にかかわってる人間やモノを申す立場にある人間は知っているだろうに。もし知らなかったら勉強しろよ。知ってるんだったらそれをちゃんと報道しろよ発言しろよ。ようするに、ちゃんと働けよ。ジャーナリストや言論人としての職務を全うしろよ。
いや、なにもね、大麻を合法化しましょう、とまで言ってるわけじゃないの、おれは。もうちょっと世の中ゆるくてもいいんじゃない?ってことと、みんなで同じ方向を向くのは危険じゃない?ってことが言いたいの。わかりますか?
それから久々に映画館で映画を観た。『TOKYO!』。知らない人のために簡単に説明しておくと、ミシェル・ゴンドリー(From ニューヨーク)、レオス・カラックス(From パリ)、ポン・ジュノ(From ソウル)、という三人の外国人監督が東京を舞台に撮った短篇(もしくは中篇?)のオムニバス。どれもそれぞれに良かったけど、やっぱレオス・カラックスの〈メルド〉には圧倒されたね。あきらかに制作側の意図を逸脱してるよ。だって、べつに舞台が東京である必然性がないんだもの。日本のお偉いさんが冷や汗を流しそうな、デンジャラスなシーンやセリフに溢れているし。じんわりするシーンやキュンとするシーンなんて皆無。ただもう呆気にとられる。でなければ慄然とさせられる。そうして、むしろ鑑賞後に、重くて深い感動が忍び寄ってくるのだ。
まあ、カラックスに対する贔屓目もあるのかもしれないんだけどね。なんてったって、レオス・カラックスはおれの人生に圧倒的影響を与えた、まあ、少なくとも五人のうちの一人なのだから。
まだ観てない人はぜひとも劇場公開が終わらぬうちに!
ではまた。じゃあねー。
9.06.2008
手短かに
こんにちは、ヘンリー・ロリンズです。
まだ、ぼくの手元には届いてなくて、完成稿をちゃんと読んでないけど、今日発売の「ダ・ヴィンチ」10月号に、短篇(というより、ショート・ストーリーと言ったほうがしっくりくるんだけど)「ドロー Draw」が掲載されてます。ご一読ください。
・・・なんか面白い話題あったっけな。
うーん、あるといえばあるし、ないといえばない、というその程度。
またあらためて。
まだ、ぼくの手元には届いてなくて、完成稿をちゃんと読んでないけど、今日発売の「ダ・ヴィンチ」10月号に、短篇(というより、ショート・ストーリーと言ったほうがしっくりくるんだけど)「ドロー Draw」が掲載されてます。ご一読ください。
・・・なんか面白い話題あったっけな。
うーん、あるといえばあるし、ないといえばない、というその程度。
またあらためて。
8.27.2008
ジャージは大切です。
北京オリンピックは観てましたか? ぼくは、時間がもったいない、と思いつつ、けっこう観てました。つい、ね。つい、観てるわりには、思いのほか感動したりね。興奮&感動したベスト3は、1、男子400メートルリレー決勝での日本チームの銅メダル獲得ラン、2、女子走り高跳び決勝でベルギーのメガネちゃんの跳躍後の絶叫と彼女の金メダル、3、男子バスケットボール決勝アメリカ対スペイン第4クォーター。それに、深夜のダイジェストで観たので生中継じゃないんだけど女子ソフトボール決勝日本チーム悲願の金メダルも良かった。気分を害したナンバーワンは野球。あきれる采配。さようなら、星野タイプの日本人。とか、おれは思いたいけど、そうもいかないんだろうね。
それはそうと、オリンピック開催中ずうっと気になっていたのだけど、日本チームのジャージというかウォームアップスーツはどうしてあんなにかっこ悪いんだろう? というか、どうしてあんなにかっこ悪いデザインが採用されるのだろう? 胸にでっかくJAPAN。中途半端な長さの襟。なんか袖も短くないか。あれを着なくてはいけない選手がとても気の毒だった。ああいうのが採用される裏には、またしてもキナ臭い経緯があるんだろうな。そうじゃないと、説明がつかないよ。
暑い暑い夏もようやく終わりに近づいてる。蝉がそれを惜しむかのようにひときわ大きく鳴いている。
それはそうと、オリンピック開催中ずうっと気になっていたのだけど、日本チームのジャージというかウォームアップスーツはどうしてあんなにかっこ悪いんだろう? というか、どうしてあんなにかっこ悪いデザインが採用されるのだろう? 胸にでっかくJAPAN。中途半端な長さの襟。なんか袖も短くないか。あれを着なくてはいけない選手がとても気の毒だった。ああいうのが採用される裏には、またしてもキナ臭い経緯があるんだろうな。そうじゃないと、説明がつかないよ。
暑い暑い夏もようやく終わりに近づいてる。蝉がそれを惜しむかのようにひときわ大きく鳴いている。
8.14.2008
三十歳以下の人間を信用するな!
たまには読み物の話を。
本当にひさしぶりに眠るのを惜しんで、いや、というより、眠るのも忘れて、読み耽った一冊の本と雑誌掲載の長篇評論。
まず、吉田豪「BAND LIFE バンドライフ」(メディアックス)。いまみちともたか、水戸華之介、関口誠人、阿部義晴、NAOKI、KENZIといった主に80年代から90年代初頭にかけて活躍したバンドマンたちへのインタビュー集なんだけど、吉田豪のインタビュアーとしてのテクニックと(たぶん)人柄に乗せられて、それぞれが、その生い立ちや、人気絶頂期の裏話や、その後の生活などについて吐露している。とくにすげえファンだったアーティストがいるわけじゃないんだが、へえバンドの裏事情はそうだったのか、とか、あの人は今なにをしている、とか、そういう三面記事的なことを軽く超越して、人間というものやぼくらの生きる社会や生きることの悲哀みたいなものが浮かび上がってきて、最終的には感極まってしまう。へたな小説よりよっぽど面白いぞ。思わず膝を打った――というか笑ったダイヤモンド・ユカイの言葉……「ドント・トラスト・アンダー・サーティ!」
それから出たばかりの「新潮」9月号に掲載されている、水村美苗「日本語が亡びるとき――英語の世紀の中で」。これはねえ、もうなんと言ったらよいか。激しく共感したし、おそろしく高揚したし、深く感銘したし。おれがここ数年、いや、潜在的にはかれこれ二十年間くらいひしひしと感じていたことぼんやりと考えていたこと、けれども怠惰だから、あるいは馬鹿だから、体系的に把握できないでいたこと、酔った席とかで誰かに言ってみたりはしたもののそれを語るきちんとした言葉を持たないがゆえに当然ながらちゃんと理解されずにいたこと、そしてちゃんと理解されないから苛立って思わずデカイ声になり相手に煙たがられ、しまいには支離滅裂になって時には翌朝の自己嫌悪の原因の一つにさえなっていたことが、すばらしく実際的、かつ、うっとりするほど美しい日本語で綴られている。読んでいる間、ずっと胸がばくばくしていた。へたな小説よりも三百倍は読む価値があるぞ。今後はこれを読んだ人としか、日本語についてや日本語文学についてや世界における日本のポジションについてやインターナショナリズムについてやローカリズムについての議論はしません! まあ、酔ってふっかけるかもしれないけどね(笑)。中心となる論旨とはあんまり関係ないけど、思わず膝を打ったフレーズ……「そして、世界の様子がさらにわかるにつれ、世界のスノビズムもわかってきた。世界のスノビズムがわかってくれば、辺境ほどスノッブになるという法則が働く。」
ではまた。
本当にひさしぶりに眠るのを惜しんで、いや、というより、眠るのも忘れて、読み耽った一冊の本と雑誌掲載の長篇評論。
まず、吉田豪「BAND LIFE バンドライフ」(メディアックス)。いまみちともたか、水戸華之介、関口誠人、阿部義晴、NAOKI、KENZIといった主に80年代から90年代初頭にかけて活躍したバンドマンたちへのインタビュー集なんだけど、吉田豪のインタビュアーとしてのテクニックと(たぶん)人柄に乗せられて、それぞれが、その生い立ちや、人気絶頂期の裏話や、その後の生活などについて吐露している。とくにすげえファンだったアーティストがいるわけじゃないんだが、へえバンドの裏事情はそうだったのか、とか、あの人は今なにをしている、とか、そういう三面記事的なことを軽く超越して、人間というものやぼくらの生きる社会や生きることの悲哀みたいなものが浮かび上がってきて、最終的には感極まってしまう。へたな小説よりよっぽど面白いぞ。思わず膝を打った――というか笑ったダイヤモンド・ユカイの言葉……「ドント・トラスト・アンダー・サーティ!」
それから出たばかりの「新潮」9月号に掲載されている、水村美苗「日本語が亡びるとき――英語の世紀の中で」。これはねえ、もうなんと言ったらよいか。激しく共感したし、おそろしく高揚したし、深く感銘したし。おれがここ数年、いや、潜在的にはかれこれ二十年間くらいひしひしと感じていたことぼんやりと考えていたこと、けれども怠惰だから、あるいは馬鹿だから、体系的に把握できないでいたこと、酔った席とかで誰かに言ってみたりはしたもののそれを語るきちんとした言葉を持たないがゆえに当然ながらちゃんと理解されずにいたこと、そしてちゃんと理解されないから苛立って思わずデカイ声になり相手に煙たがられ、しまいには支離滅裂になって時には翌朝の自己嫌悪の原因の一つにさえなっていたことが、すばらしく実際的、かつ、うっとりするほど美しい日本語で綴られている。読んでいる間、ずっと胸がばくばくしていた。へたな小説よりも三百倍は読む価値があるぞ。今後はこれを読んだ人としか、日本語についてや日本語文学についてや世界における日本のポジションについてやインターナショナリズムについてやローカリズムについての議論はしません! まあ、酔ってふっかけるかもしれないけどね(笑)。中心となる論旨とはあんまり関係ないけど、思わず膝を打ったフレーズ……「そして、世界の様子がさらにわかるにつれ、世界のスノビズムもわかってきた。世界のスノビズムがわかってくれば、辺境ほどスノッブになるという法則が働く。」
ではまた。
8.07.2008
てんてつき、と読みます
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