3.03.2009

小説について語る時にわたしたちの……

百年でのトーク・イベントに来ていただいた皆さん、ありがとうございました。

そして、すまん! 自ら懸念していた中川(酩酊)状態になってしまった。少量のアルコールを体内に注入して、脳をほぐし舌を滑らかにするつもりが、ついつい。ふと気付けば、脳は固まってるし舌はもつれてるし。……しかし、弱くなったよなあ。おれも確実に老化してるということなのか。

あとで、素面で反芻すれば、当然ながら、あの話をすべきだった、とか、あの話はすべきじゃなかった、とか、あの話はああではなくてこのように話すべきだった、とか、多々あるんだけど。

とりわけ、もう少し、日常的な視点で、生活に即した文脈で、小説の話をするべきだったと思う。せっかく「女たち」も出たばかりなんだし。もっと、チャーミングになりえたはずの小説の話をね。……つまりは、石川さんのパワフルな論法に寄り切られたってことなのか…笑。

それとね、質問コーナーの時に感じたことで、ここであえて言っておきたいことを。
ああいう、なにげに高踏な、ややもすれば小難しい、あるいは純理論的な、話題が飛び交ってる時に、卑近な、素朴な、あるいは(英語の形容詞を使えば)プラクティカルな、話題を持ち出すのって、かなり気が引けることだよね。けど、恐るる事なかれ。ひょっとすると、一見バカっぽいカジュアルな問いかけこそが、とんでもない深遠な真理を突き刺しているのかもしれないのだから。

最後のほうで、「もっと鈴茂さんの話が聞きたかった……」と、おそるおそる発言してくれた前列のショートカットの女の子。わかるわかるすごくわかるよ、あなたがその単純かつ朴訥な問いかけの奥底で、じつは何を言わんとしていたのか。期待に応えられなくて申し訳ない。また、次の機会にね。ともあれ、あの場面でそのような発言をしてくれたあなたの勇気に、リスペクトとサンクスを表します。