気がつけば、ひさしぶり。ここんところなんだかんだと忙しいんだよね。その、なんだかんだ、については、おいおい書いていくつもりだけど。
今日は少し『1Q84』の話でも。
このブログを定期的に読んでくれている人はおそらくご存知だと思うけど、ぼくは、日本の文芸については、いや、文芸だけではないな、日本の映画についても日本の音楽についても、大絶賛の場合を除き、なるべく書かないようにしているのね。ようするに、いろいろと面倒なんだよ。直接は知らなくとも、間接的には知っていたりするし。絶賛の時は「最高!」で済むけど、批判するにはそれなりのロジックが必要になるし。ただの「いちゃもん」が一種の諧謔として受容される可能性は、現在の日本社会では極めて低いし。というか、人との関係性を離れて、作品そのものと対峙する批評が、差しさわりなくまかり通るほど、成熟した社会には住んでいない、残念ながら、ぼくらは。……まあ、とはいえ、多額の原稿料が発生するならばやってもいいんだけどね(現金なおれ!)、ブログでそこまでやる体力も気力も金力もわたしにはありません。
しか〜し。村上春樹くらい雲の上の作家の作品についてならば、ちょっとは「いちゃもん」を付けてもいいんじゃないかと。村上春樹はすでに〈Haruki Murakami〉という国際的な作家でもあるわけだし。そのように思い、今日はキーボードに向かっております。
そう、じつは、しばらく前から『1Q84』を読んでいるんだけど、なっかなか進まない。なっかなか物語に入っていけない。もっとも、まとまった読書時間を取れないせいでもあるんだけど、どうもそれだけではない。ふと気づくと別の本を読んでいたりもするし(おれの鞄の中にはたいてい複数の本が入っているので)。なんでだろう?
いくつか理由は考えられるんだけど、その最たるものは登場人物の造形なんだと思う。つまりね、どいつもこいつも、ストイックで勤勉で何をするにも手際が良く(それぞれの位相において)雄弁で(それぞれの分野において)有能なんだよ。それも半端じゃないレヴェルで。(1巻の終盤に差し掛かった今のところ)ただの一人も、チャーミングだけどぐだぐだな奴とかがんばり屋だけどとことん凡庸な奴とかお人好しだけど悲しいかな愚鈍な奴とかは登場しない。女主人公に殺される、小説内の表現では「ネズミ野郎」でさえ、ドメスティック・バイオレンスの人非人ではあるけれど出自はめっちゃ良いし仕事においては異様に能力が高い。そういう、卓抜した、しいて言えば、超越した、人物しか登場しない小説世界にあって、それを読むおれは、ここでは名も与えられていない、その他大勢の人間の一人だって感じるわけ。小説世界からあっさり締め出された、とるに足らない人間の一人だって感じるわけ。ようするに、疎外感というほかないものを。で、いつのまにか、白けてる。眠くなってる。眠ってる。
まあ、小説ってのは、物語ってのは、フィクションってのは、そんなもんなんだ、っていう考え方もあるだろうし、その考えにはたしかに一理ある。ぐだぐだな人間ばかり登場してたら、ストーリーはたいして進捗しないだろう。少なくともドラスティックには展開しないだろう。でも、ドラスティックに展開していけば、それで万事オッケーってわけじゃない。というか、超越的な登場人物によるドラスティックな展開の物語、なんて、あまりにも前近代的じゃないか。もっとも、村上春樹は、そのあたりをきちんと踏まえた上で、2009年の今、あえて大文字の物語に挑戦してるのかもしれないけど。……しかしねえ。
いま、そのあたりを踏まえて、って書いたけど、じつは、そういう大層な使命なんかよりも、むしろ単純に、実存的に、春樹さん自身が、ストイックで勤勉で手際の良い人であって、ぐうたらで怠惰で手際の悪い人間が好きじゃない、もっと強く言えば、嫌っている、というのが、身も蓋もないけど、事の真相なんじゃないか、と(意地悪くも)睨んでいる。だから、ホメロスやシェイクスピアやドストエフスキーを読んでも感じたことのない、疎外感を、締め出されている感を、ぐだぐだな(!)おれは覚えてしまうのではないかな。
このへんのことと関係して、ふと思い出したのが、またしてもチャールズ・ブコウスキーの言葉で、かのぐだぐだ野郎は(おおよそ)こんなことを言っていたはず――「午前八時にタイプライターに向かっている奴から本当のユーモアが生まれるわけがない」。この名言、あるいは迷言は、一方で、おれのような怠け者に寝坊する格好の口実を与えてくれもしているのだけど、他方でやはり、なかなかに正鵠を得ていると言わざるを……いやいや、正鵠を得ている、なんて物言いは、ブコちゃんには似合わないな、うん、とにもかくにも、痛快だ。
そうなのだ、『1Q84』には、至る所に「ユーモアのようなもの」が、ちりばめられているのだけど、率直に言って、これらの大部分が寒い。真冬の、とは言わないけれど、春先の礼文島くらいには、寒い。やっぱ、春樹さんのようなストイックで早起きで勤勉な人って、おうおうにしてユーモアのセンスが欠落してくるのではないだろうか。「ユーモアのセンス」の代わりに、「慈しみ」や「豊饒さ」という言葉を入れてもいい。
ま、こういうのは、ぐだぐだ野郎の惨めな遠吠えなんだろうけどね。――たしかに、勤勉さが達成させる偉業は数多いだろう、けれども、時にそれは、その人間とこの世界を危険なほどに痩せ細らせる一因であるかもしれないんだぜ。気をつけろ、「勤勉さ」とやらに。疑いの目を向けろ、「一生懸命」とやらに。
というわけで、読了してもいない『1Q84』に、いちゃもんを付けてみました。読了してから書こうと思ってたけど、永遠に読了できないかもしれないし。読了してしまうと、いちゃもんは付けられないかもしれないし。
7.25.2009
7.07.2009
ポップコーンをほおばって
……というのは、甲斐バンドの曲のタイトルなんですけど。
夕方、車の中でipodをシャッフルにしてたら、急に(まあ、シャッフルなんでどの曲も「急に」かかるんだけども、それにしても「急に」という表現がぴったりに)この曲が流れまして。どうして、ぼくのipodの中に甲斐バンドが入ってるのかもいまいち不明なんだけど(CDは持っていないし、購入した覚えもない、たぶん、なんかの折にツタヤで借りたんだろう)。率直に言って、がつ〜ん、とやられました。イントロで「ん?なにこれ?」となって、Aメロではちょっとだけ醒めて、けれどもサビの「ポップコーンをほおばって 天使たちの声が〜」で、頭がくらくらした。やべえよ。こういうこともあるんだよなあ。青天の霹靂っていうの?ヒョウタンから駒が出るっていうの? それで、今、アマゾンとかで調べたら、2007年だかに、ベスト盤が出ていて、そこに入ってる「ポップコーンをほおばって」がデジタル・リマスタリングかつRemixedだったので、それを明日にでも購入しようと思う。それとも、往年のライブのDVDにしようかな。83年だかに、新宿副都心の高層ビル街でライヴをやってるらしいんだよね。やっぱ、70年代から80年代ってのは、日本のロックもアグレッシヴだね。と思った。
ちなみに、今日のipodのシャッフル君はなかなかイカすやつでね。この甲斐バンドの次が、ベス・ギボンズ。以下→セックス・ピストルズ→シコ・ブアルキ→トッド・ラングレン→ラウール・プティット(フランソワ・ベランジェのカヴァー曲)→ベス・オートン→ジャーヴィス・コッカー→ピーター・ビヨーン&ジョン→電気グルーヴ→ルーツ→レッチリ→マイケル・ジャクソン、という流れ。このくらい大胆かつハイブリッドに行きたいね、次のDJは。そして、願わくば、人生も。
取り急ぎ。
何が取り急ぎだ。
夕方、車の中でipodをシャッフルにしてたら、急に(まあ、シャッフルなんでどの曲も「急に」かかるんだけども、それにしても「急に」という表現がぴったりに)この曲が流れまして。どうして、ぼくのipodの中に甲斐バンドが入ってるのかもいまいち不明なんだけど(CDは持っていないし、購入した覚えもない、たぶん、なんかの折にツタヤで借りたんだろう)。率直に言って、がつ〜ん、とやられました。イントロで「ん?なにこれ?」となって、Aメロではちょっとだけ醒めて、けれどもサビの「ポップコーンをほおばって 天使たちの声が〜」で、頭がくらくらした。やべえよ。こういうこともあるんだよなあ。青天の霹靂っていうの?ヒョウタンから駒が出るっていうの? それで、今、アマゾンとかで調べたら、2007年だかに、ベスト盤が出ていて、そこに入ってる「ポップコーンをほおばって」がデジタル・リマスタリングかつRemixedだったので、それを明日にでも購入しようと思う。それとも、往年のライブのDVDにしようかな。83年だかに、新宿副都心の高層ビル街でライヴをやってるらしいんだよね。やっぱ、70年代から80年代ってのは、日本のロックもアグレッシヴだね。と思った。
ちなみに、今日のipodのシャッフル君はなかなかイカすやつでね。この甲斐バンドの次が、ベス・ギボンズ。以下→セックス・ピストルズ→シコ・ブアルキ→トッド・ラングレン→ラウール・プティット(フランソワ・ベランジェのカヴァー曲)→ベス・オートン→ジャーヴィス・コッカー→ピーター・ビヨーン&ジョン→電気グルーヴ→ルーツ→レッチリ→マイケル・ジャクソン、という流れ。このくらい大胆かつハイブリッドに行きたいね、次のDJは。そして、願わくば、人生も。
取り急ぎ。
何が取り急ぎだ。
6.30.2009
セットリストというほど大層なものではないが。
ゆうべはCCCに来てくれたみなさん、ありがとう。
結局、朝まで飲んでしまった。久々の朝帰りと朝カップ麺。現在、二日酔い=精神的悪寒のブリザード。
栃木県からはるばる来てくれた眉毛のない大学生からのリクエストにお答えして、レコードやCDを片付ける前にざっとセットリストを。
0. Artist/Title
1. Jonathan Richman / That Summer Feeling
2. Moby / Honey
3. Beck / Lloyd Price Express
4. The Roots / Guns are Drawn
5. Martiangang Feat.Time Machine/Miami Vice (smooth current mix)
6. A Tribe Called Quest / Can I KIck It?
7. Carlos Nino & Lil Sci / Higher
8. Department of Eagles / Noam Chomsky Spring Break 2002
9. Brazilian Girls / Last Call
10. Prince / Raspberry beret (Extended Remix)
11. Ian Dury / Wake Up And Make Love With Me
12. Elvis Costello / Miracle Man
13. The Only Ones / Why Don't You Kill Yourself
14. The Undertones / Teenage Kicks
15. The Smiths / You've Got Everything Now
16. The Clash / Rock The Casbah
17. The Smashing Pumpkins / 1979
18. 曽我部恵一 / 有名になりたい
もしかすると1、2曲違ってるかもしれないが、おおよそこんなかんじ。しかしね、中田。音楽を漁るのはもちろんけっこうなことだが、小説だって少しは読めよな。せめて、おれの小説くらいは読めよ。おれのとブコちゃんのとアーヴィン・ウェルシュのと……。そのへんは押さえておいてほしいね、眉毛のないギーザーくんには。
ところで、DJズズモのあれっていうのをおれはかけたのか? かけたような気もするしかけていないような気もする。ようするに自分でもあれっていうのがなんなのか、ちゃんとわかっていないのであり……。
ではまた。
結局、朝まで飲んでしまった。久々の朝帰りと朝カップ麺。現在、二日酔い=精神的悪寒のブリザード。
栃木県からはるばる来てくれた眉毛のない大学生からのリクエストにお答えして、レコードやCDを片付ける前にざっとセットリストを。
0. Artist/Title
1. Jonathan Richman / That Summer Feeling
2. Moby / Honey
3. Beck / Lloyd Price Express
4. The Roots / Guns are Drawn
5. Martiangang Feat.Time Machine/Miami Vice (smooth current mix)
6. A Tribe Called Quest / Can I KIck It?
7. Carlos Nino & Lil Sci / Higher
8. Department of Eagles / Noam Chomsky Spring Break 2002
9. Brazilian Girls / Last Call
10. Prince / Raspberry beret (Extended Remix)
11. Ian Dury / Wake Up And Make Love With Me
12. Elvis Costello / Miracle Man
13. The Only Ones / Why Don't You Kill Yourself
14. The Undertones / Teenage Kicks
15. The Smiths / You've Got Everything Now
16. The Clash / Rock The Casbah
17. The Smashing Pumpkins / 1979
18. 曽我部恵一 / 有名になりたい
もしかすると1、2曲違ってるかもしれないが、おおよそこんなかんじ。しかしね、中田。音楽を漁るのはもちろんけっこうなことだが、小説だって少しは読めよな。せめて、おれの小説くらいは読めよ。おれのとブコちゃんのとアーヴィン・ウェルシュのと……。そのへんは押さえておいてほしいね、眉毛のないギーザーくんには。
ところで、DJズズモのあれっていうのをおれはかけたのか? かけたような気もするしかけていないような気もする。ようするに自分でもあれっていうのがなんなのか、ちゃんとわかっていないのであり……。
ではまた。
6.24.2009
鈴茂の週刊フィルム・レヴュー
『レスラー』ダーレン・アロノフスキー監督、ミッキー・ローク主演
☆☆☆☆☆
星五つ。いっそのことどっかから星を半分もぎ取ってきて五つ半にしたいくらい。そして、いきなり我が人生のベストテン入り。しばらくはランキング1位を暴走するだろう。素晴らしい。素晴らしすぎる。……それ以外に何を言えばいいだろう。ダークサイド・オブ・アメリカン・ドリーム。失意と痛みとそんな中から静かに立ち上がってくる希望と。……希望? あれは希望なのか? 諦念とも言えるんじゃないのか? ちょっと待て。褒めすぎのような気もしてきた。いや、素晴らしすぎるのはウソじゃない。しかし、その一方で、痛すぎる、悲しすぎる。……ああそうか。映画そのものの素晴らしさと描かれている人生の痛々しさや悲哀を混同してしまうのかもしれない。映画であって同時に映画じゃなくなる映画……という言い方でなんとなくわかってもらえるだろうか。そう、鎮魂歌のように。うん、そうだ、これはレクイエムなのだ。不器用でひたむきな、だからこそ悲劇性を纏ってしまう人生へのレクイエム。なんだか論旨がねじれてしまった気もするが、まあ許せ。最近は、脳細胞がどんどん死んでいってるように感じる。ほんとうなんだ。やばいな。まだするべき仕事はたくさんあるんだが。やっぱタバコはやめるべきか。……タバコって……なんか考えることがちっこいな。……話が逸れてる。久々の主役を演じたミッキー・ロークが素晴らしいのはさておくとして、ストリッパー役のマリサ・トメイがとんでもなく素晴らしい。場末のストリップ・バーで、オッパイ出してケツ振って、それでもなお優美さを失っていない。あの役をあんな風に演じられる人は、他にいないんじゃないか。というか、あのクラスの女優が、あそこまでしてくれるんだ?と正直思ったね。今の日本にはいないだろうなあ。まあ、土壌が違うんだから、比べる必要もないかもしれないが、そんなこともおれは考えた。いや、土壌が違う、なんて、言い訳に過ぎない気もする。アートはアートだ。土壌が、なんて言ってたら、アートにならん。アートは土壌を凌駕する。はずだ。……また話が逸れたぞ。ま、とにかく、マリサ・トメイが素晴らしい。彼女にもっともっとたくさんの賞をあげるべきだ。……ああ、がんばって、今日のレヴューは英語で書くべきだったかもしれない。英語ならば、彼女が目にしないとも限らない。可能性はゼロじゃない。……マリサさん、ありがとう、あなたの仕事に胸を強く打たれました。Thank you,Ms.Marisa Tomei.I was greatly touched with your performance on The Wrestler.
いつものごとく、複雑な気持ちになったところで、今日は終わり。
前のエントリー(ハハ! 新しい言葉を使ってみた、新しいってもちろんおれにとってのという意味)でお知らせしたとおり、来週月曜の夜に下北沢CityCountryCityでDJをやります。時間が許す方はぜひとも。
☆☆☆☆☆
星五つ。いっそのことどっかから星を半分もぎ取ってきて五つ半にしたいくらい。そして、いきなり我が人生のベストテン入り。しばらくはランキング1位を暴走するだろう。素晴らしい。素晴らしすぎる。……それ以外に何を言えばいいだろう。ダークサイド・オブ・アメリカン・ドリーム。失意と痛みとそんな中から静かに立ち上がってくる希望と。……希望? あれは希望なのか? 諦念とも言えるんじゃないのか? ちょっと待て。褒めすぎのような気もしてきた。いや、素晴らしすぎるのはウソじゃない。しかし、その一方で、痛すぎる、悲しすぎる。……ああそうか。映画そのものの素晴らしさと描かれている人生の痛々しさや悲哀を混同してしまうのかもしれない。映画であって同時に映画じゃなくなる映画……という言い方でなんとなくわかってもらえるだろうか。そう、鎮魂歌のように。うん、そうだ、これはレクイエムなのだ。不器用でひたむきな、だからこそ悲劇性を纏ってしまう人生へのレクイエム。なんだか論旨がねじれてしまった気もするが、まあ許せ。最近は、脳細胞がどんどん死んでいってるように感じる。ほんとうなんだ。やばいな。まだするべき仕事はたくさんあるんだが。やっぱタバコはやめるべきか。……タバコって……なんか考えることがちっこいな。……話が逸れてる。久々の主役を演じたミッキー・ロークが素晴らしいのはさておくとして、ストリッパー役のマリサ・トメイがとんでもなく素晴らしい。場末のストリップ・バーで、オッパイ出してケツ振って、それでもなお優美さを失っていない。あの役をあんな風に演じられる人は、他にいないんじゃないか。というか、あのクラスの女優が、あそこまでしてくれるんだ?と正直思ったね。今の日本にはいないだろうなあ。まあ、土壌が違うんだから、比べる必要もないかもしれないが、そんなこともおれは考えた。いや、土壌が違う、なんて、言い訳に過ぎない気もする。アートはアートだ。土壌が、なんて言ってたら、アートにならん。アートは土壌を凌駕する。はずだ。……また話が逸れたぞ。ま、とにかく、マリサ・トメイが素晴らしい。彼女にもっともっとたくさんの賞をあげるべきだ。……ああ、がんばって、今日のレヴューは英語で書くべきだったかもしれない。英語ならば、彼女が目にしないとも限らない。可能性はゼロじゃない。……マリサさん、ありがとう、あなたの仕事に胸を強く打たれました。Thank you,Ms.Marisa Tomei.I was greatly touched with your performance on The Wrestler.
いつものごとく、複雑な気持ちになったところで、今日は終わり。
前のエントリー(ハハ! 新しい言葉を使ってみた、新しいってもちろんおれにとってのという意味)でお知らせしたとおり、来週月曜の夜に下北沢CityCountryCityでDJをやります。時間が許す方はぜひとも。
6.18.2009
アイ・アム・ア・DJ
なんだか、猫系ブログのような様相を呈してますが、今日は違います。あ、いや、やっぱ、写真だけ。

えっと、6月29日の月曜日の夜に、下北沢CityCountryCityにて、久々に(何年振りだ?)DJをやります。いや、まあ、ぼくはDJ("I am a DJ" by David Bowie)……なんて偉そうに言える代物じゃないのだけどね。お気に入りの曲をどうにか繋いでいくだけで。ラウンジナイトってことなので、そんなにバカでかい音じゃないはず。ゆるゆると、お酒飲みつつ、おしゃべりしつつ、気が向いたら腰を振ったりもして、楽しもうぜ。
さて、なにをかけるかな? やっぱ、スズモのDJといえば、あれでしょ、あれ。あれってなんだよ? あれはあれだよ! ……1曲目だけ決めておこう、今、ここで、決めておこう。う〜ん……そうだ……ジョナサン・リッチマンだ! 予告先発。ジョナサン・リッチマンのザット・サマー・フィーリングで始めます。夏だしね! ……って、ひとりで盛り上がってるな、おれ。

雨の日かもしれないけど(根拠はない、ただなんとなく)、ぜひとも遊びに来てください。
えっと、6月29日の月曜日の夜に、下北沢CityCountryCityにて、久々に(何年振りだ?)DJをやります。いや、まあ、ぼくはDJ("I am a DJ" by David Bowie)……なんて偉そうに言える代物じゃないのだけどね。お気に入りの曲をどうにか繋いでいくだけで。ラウンジナイトってことなので、そんなにバカでかい音じゃないはず。ゆるゆると、お酒飲みつつ、おしゃべりしつつ、気が向いたら腰を振ったりもして、楽しもうぜ。
さて、なにをかけるかな? やっぱ、スズモのDJといえば、あれでしょ、あれ。あれってなんだよ? あれはあれだよ! ……1曲目だけ決めておこう、今、ここで、決めておこう。う〜ん……そうだ……ジョナサン・リッチマンだ! 予告先発。ジョナサン・リッチマンのザット・サマー・フィーリングで始めます。夏だしね! ……って、ひとりで盛り上がってるな、おれ。
雨の日かもしれないけど(根拠はない、ただなんとなく)、ぜひとも遊びに来てください。
6.09.2009
あたらしい生活
家族が増えたんですわ。
リスに見えるかもしれないけど、子猫。
里親募集のサイトにちらっと遊びに行って、写真を観賞してるうちにやっぱ欲しくなって、躊躇しつつも、というか、そんなに事がとんとんと運ぶとは思わずに、メールを送ったら、15分後には電話が鳴って、心の準備ができないままにものすごいスピードでいろいろなことが決まり、その日の夕方には我が家のソファの下に子猫二匹が隠れていた。足立区の公園に捨てられていたもよう。ほんとは一匹を飼うつもりが、この子たちを保護した女性はペット禁止のマンションに住んでるらしく、とりあえずトライアルでいいので二匹を一週間預かってもらえませんか?とお願いされ、預かったのだが、こいつらがあまりにも仲睦まじく、引き離すのが忍びなくなって、結局二匹をいっぺんに飼うことに。まだ警戒心を抱いていて、近寄ってきてくれないんだけどね。あるいは、最初の三日ほど、無理やり捕獲しては目薬を差していた(目やにがひどかったので)のが、よくなかったのかもしれない。まあ、いいや〜。いきなりなつかれると、のちの達成感もないしな〜。この茨の道のりこそが人生なのだ。などと、子猫に逃げられた後の自分を慰めております。
雉子虎を「キッチ」、黒を「クロエ」と名付けた……まるで芸がないのだが。いやね、トライアルの間、変に愛情が芽生えてもマズいと思って、「キジ」「クロ」と呼んでいたのよ。それがいつのまにか定着して、けど、そのまんまもなんだし、ちょっとだけもじってみたという。あ、まだ、たぶん生後1か月くらいで、チューチューと鼠のように啼いている。というか、啼くのは今のところ、クロエだけで、キッチはひょっとすると、口の訊けない子なのかもしれないな。
ともあれ、猫以後の人生、第二章がはじまった。
5.28.2009
鈴茂の月刊フィルム・レヴュー
欠落感は埋まらないけど、まあなんとか。
弔いのメールをくれたみなさん、ありがとう。
5月もそろそろ終わりということでこのひと月ばかりに観た映画を(いきなりどうしたの?ってかんじだけど)星☆評価で。最高は五つ。★は☆半分の意。
『MILK ミルク』ガス・ヴァン・サント監督 ショーン・ペン主演
☆☆☆☆
四つ。素晴らしい。普通に感動した。普通に、というのは、カメラワークがどうとかプロットがどうとかそういう言わばこましゃくれたことで脳を汚さずに、ただもう純粋に映画内世界を享受した、ということ。最後のほうは泣いたね。映画を観ながら鼻水をかむなんて久しぶりだ。しかし、映画館を出たとたんに気分が曇る。というのは、やっぱアメリカっていいよなあシンプルだしダイナミックだしって思って……だってあんなふうにたとえゲイだって市議会議員になれて……つまりはどんなマイノリティーだって強い信念を持って行動を起こせばちゃんと支援してくれる人が現れ出てそうしてわずかながらでも社会は動き歴史は更新されてく……それに比べて世襲のブタどもがのさばってそれをまたアホな大衆がちやほやしてヌルくてヘナヘナでむにょむにょで社会は滞り歴史は間延びする……権力とか薄っぺらい良識とかに対峙すべきマス・メディアはポピュリズムだかなんだか知らないが結局のところ体制側になびいて安全圏に逃げ込んで……いやいやそんな遠くのことじゃなくてもぼくらの生きる卑近な日常においてもその人の立場によって接する態度をこせこせと変え仕事や作品そのものに真摯に対峙するんじゃなくて村的な関係性の中で優劣を決めて……ようするに強きを助け弱きを挫くのかよ〜みたいなのが平気で横行するというかほとんど常識のようにさえなっているこの腐ったトマトのような我ら日本人と日本社会を思って気分が曇ったのですよ。いつのまにかミルクの話から三万光年くらい離れてますが。しかも酔っ払いの愚痴みたいになってるし。……ええと、それで、泣くほど感動したのに、なぜ☆が四つかというと、やはりどこかに映画を観ながら脳を汚されたい、という、ともすると鼻持ちならないこましゃくれた気持ちがあって……。
『スラムドッグ$ミリオネア』ダニー・ボイル監督
☆☆☆★
三つ半。まあ良かった。まあ楽しめた。ドキドキもしたしジーンともした。なかでもスラム街のシーンにはすごくリアリティーがあって身震いした。カメラワークもなかなか斬新だしプロットもなかなか工夫してあるし音楽なんかもアカデミー賞受賞作品ってことで「クレイマー、クレイマー」なんかをなにげに喚起させつつ観に行った温良な人を少なからずビビらせるぐらいにはブイブイいってるよね。けどね〜。なにかが足りないんだよな〜。ようするにいろいろと派手にやってるけどしょせんはスクエアだってことなのかな。例えばさ、今、この2009年に、ビートルズの「ヘルプ!」とか「ヘイ・ジュード」を聴いて、ほんとうに心から感動できる? 感動できるっていうか、完全に向こう側に持っていかれる? おれは持っていかれないな。あるいは、カート・ヴォネガットの小説に出てくる言葉を。「人生について知るべきことは、すべてフィードル・ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の中にある、と彼はいうのだった。そしてこう付け加えた、「けれどもう、それだけじゃ足りないんだ」」。
『ウェディング・ベルを鳴らせ』エミール・クストリッツァ監督
☆☆☆☆★
四つ半。五つでもいいんだけどあんまり簡単に五つをつけるのもどうかという喪中ならではの沈着さもあって四つ半。正確には四つと四分の三。最高(の域)。ブラボー。持っていかれたぜ。全編を通して漲るエネルギーと緊張感とセンス・オブ・ブラック・ユーモアと。ハードコア・パンクである。いや、パンクという言葉もいいかげん擦り切れてきて使うのをためらうのだが、ここはハードコアという形容詞を添えた上で、あえて使いたい。簡単に言っちゃうと、ドタバタ・ハッピーエンド・コメディなんだけどさ、おれはね、この映画の通奏低音として、ハッピーとは裏腹の、半端じゃない「怒り」を感じた。そうなんです、「怒り」を含まぬものに、わたしは安々と持っていかれたりはしないのです。それと、花嫁役のマリヤ・ペトロニイェヴィッチという、この映画がデビュー作になるらしい女優が最高にキュートでね。たまらんよ。目眩がするよ。その晩の夢に出てきたよ。ちなみに、渋谷シネマライズに、過去のシネマライズ上映作品のパンフを持っていくと、1000円で鑑賞できます。称賛されるべき嬉しい企画じゃないか。
『スウェーディッシュ・ラヴ・ストーリー』ロイ・アンダーソン監督
☆☆☆☆☆
五つ! いや、これは、我が家の小さなモニターにてDVDで観たものなんで、ちょっと反則なんですけど。かなり遠くまで……対岸どころか、次の河の土手にあるテニスコートまで持っていかれたね。なんですか、この映画。変です。まあ、通常の意味では、破綻してます。タイトルとポスター(やスリーヴ)のイメージから、ロイ・アンダーソンが撮った、唯一の、ピュアな、まあ今日の文脈からいえば、スクエアな、思春期恋愛映画だと思ってたの。それが。おいおい。うちのおふくろ(ちなみに『スラムドッグ〜』は観に行ったらしい、感想は聞いてないけど)とかが観たら、頭おかしくなっちゃうよ。いや、もちろん、ただ「変」という理由で、☆を五つつけたわけじゃないんだけども。最高のリリシズム。なのに、卑近な社会性を帯びることを厭わない勇敢さと(たぶん)怒り。ロイ・アンダーソンの芯には、常に半端じゃない怒りがあるんだと思う。
もっと怒れ。きみの目の前の現実に。
そして、ファック・ザ・ユニバース。
弔いのメールをくれたみなさん、ありがとう。
5月もそろそろ終わりということでこのひと月ばかりに観た映画を(いきなりどうしたの?ってかんじだけど)星☆評価で。最高は五つ。★は☆半分の意。
『MILK ミルク』ガス・ヴァン・サント監督 ショーン・ペン主演
☆☆☆☆
四つ。素晴らしい。普通に感動した。普通に、というのは、カメラワークがどうとかプロットがどうとかそういう言わばこましゃくれたことで脳を汚さずに、ただもう純粋に映画内世界を享受した、ということ。最後のほうは泣いたね。映画を観ながら鼻水をかむなんて久しぶりだ。しかし、映画館を出たとたんに気分が曇る。というのは、やっぱアメリカっていいよなあシンプルだしダイナミックだしって思って……だってあんなふうにたとえゲイだって市議会議員になれて……つまりはどんなマイノリティーだって強い信念を持って行動を起こせばちゃんと支援してくれる人が現れ出てそうしてわずかながらでも社会は動き歴史は更新されてく……それに比べて世襲のブタどもがのさばってそれをまたアホな大衆がちやほやしてヌルくてヘナヘナでむにょむにょで社会は滞り歴史は間延びする……権力とか薄っぺらい良識とかに対峙すべきマス・メディアはポピュリズムだかなんだか知らないが結局のところ体制側になびいて安全圏に逃げ込んで……いやいやそんな遠くのことじゃなくてもぼくらの生きる卑近な日常においてもその人の立場によって接する態度をこせこせと変え仕事や作品そのものに真摯に対峙するんじゃなくて村的な関係性の中で優劣を決めて……ようするに強きを助け弱きを挫くのかよ〜みたいなのが平気で横行するというかほとんど常識のようにさえなっているこの腐ったトマトのような我ら日本人と日本社会を思って気分が曇ったのですよ。いつのまにかミルクの話から三万光年くらい離れてますが。しかも酔っ払いの愚痴みたいになってるし。……ええと、それで、泣くほど感動したのに、なぜ☆が四つかというと、やはりどこかに映画を観ながら脳を汚されたい、という、ともすると鼻持ちならないこましゃくれた気持ちがあって……。
『スラムドッグ$ミリオネア』ダニー・ボイル監督
☆☆☆★
三つ半。まあ良かった。まあ楽しめた。ドキドキもしたしジーンともした。なかでもスラム街のシーンにはすごくリアリティーがあって身震いした。カメラワークもなかなか斬新だしプロットもなかなか工夫してあるし音楽なんかもアカデミー賞受賞作品ってことで「クレイマー、クレイマー」なんかをなにげに喚起させつつ観に行った温良な人を少なからずビビらせるぐらいにはブイブイいってるよね。けどね〜。なにかが足りないんだよな〜。ようするにいろいろと派手にやってるけどしょせんはスクエアだってことなのかな。例えばさ、今、この2009年に、ビートルズの「ヘルプ!」とか「ヘイ・ジュード」を聴いて、ほんとうに心から感動できる? 感動できるっていうか、完全に向こう側に持っていかれる? おれは持っていかれないな。あるいは、カート・ヴォネガットの小説に出てくる言葉を。「人生について知るべきことは、すべてフィードル・ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の中にある、と彼はいうのだった。そしてこう付け加えた、「けれどもう、それだけじゃ足りないんだ」」。
『ウェディング・ベルを鳴らせ』エミール・クストリッツァ監督
☆☆☆☆★
四つ半。五つでもいいんだけどあんまり簡単に五つをつけるのもどうかという喪中ならではの沈着さもあって四つ半。正確には四つと四分の三。最高(の域)。ブラボー。持っていかれたぜ。全編を通して漲るエネルギーと緊張感とセンス・オブ・ブラック・ユーモアと。ハードコア・パンクである。いや、パンクという言葉もいいかげん擦り切れてきて使うのをためらうのだが、ここはハードコアという形容詞を添えた上で、あえて使いたい。簡単に言っちゃうと、ドタバタ・ハッピーエンド・コメディなんだけどさ、おれはね、この映画の通奏低音として、ハッピーとは裏腹の、半端じゃない「怒り」を感じた。そうなんです、「怒り」を含まぬものに、わたしは安々と持っていかれたりはしないのです。それと、花嫁役のマリヤ・ペトロニイェヴィッチという、この映画がデビュー作になるらしい女優が最高にキュートでね。たまらんよ。目眩がするよ。その晩の夢に出てきたよ。ちなみに、渋谷シネマライズに、過去のシネマライズ上映作品のパンフを持っていくと、1000円で鑑賞できます。称賛されるべき嬉しい企画じゃないか。
『スウェーディッシュ・ラヴ・ストーリー』ロイ・アンダーソン監督
☆☆☆☆☆
五つ! いや、これは、我が家の小さなモニターにてDVDで観たものなんで、ちょっと反則なんですけど。かなり遠くまで……対岸どころか、次の河の土手にあるテニスコートまで持っていかれたね。なんですか、この映画。変です。まあ、通常の意味では、破綻してます。タイトルとポスター(やスリーヴ)のイメージから、ロイ・アンダーソンが撮った、唯一の、ピュアな、まあ今日の文脈からいえば、スクエアな、思春期恋愛映画だと思ってたの。それが。おいおい。うちのおふくろ(ちなみに『スラムドッグ〜』は観に行ったらしい、感想は聞いてないけど)とかが観たら、頭おかしくなっちゃうよ。いや、もちろん、ただ「変」という理由で、☆を五つつけたわけじゃないんだけども。最高のリリシズム。なのに、卑近な社会性を帯びることを厭わない勇敢さと(たぶん)怒り。ロイ・アンダーソンの芯には、常に半端じゃない怒りがあるんだと思う。
もっと怒れ。きみの目の前の現実に。
そして、ファック・ザ・ユニバース。
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